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あなたの車は大丈夫?突然の車両火災から命を守るために知っておきたい予兆と対策

先日、「車全焼 バッテリーから出火したか」という報道が注目を集めました。車両の火災という事態は決して他人事ではなく、日常的に車を使用している多くの方にとって非常に身近で、同時に重大なリスクの一つです。今回のニュースをきっかけに、車両火災の原因や予兆、そして日頃から心掛けたい予防策などについて、改めて知識を深めておきましょう。

■ 車両火災が発生した事例

2024年6月、埼玉県鴻巣市の路上で、走行中の普通乗用車から突然出火し、車が全焼する事故が起きました。火災の発生時間は朝10時頃で、運転していた男性が焦げ臭さを感じ、すぐに車を路肩に停車。脱出した直後に車内から火が上がり、そのまま炎は瞬く間に広がって、車両全体を包み込んだといいます。幸いにも運転者に怪我はなく人的被害はなかったものの、車は全焼し、あたり一帯が騒然となりました。

警察と消防による初期の調査では、火元は車の前方部分、すなわちエンジンルームから出火したとみられており、バッテリー付近から火が出た可能性が指摘されています。出火原因の特定は続いていますが、電装系のトラブル、特にバッテリーに関する異常が最初の火の発生源になるケースは過去にも多く報告されています。

■ バッテリーからの出火とは?

車のバッテリーは、電力を供給する中心的な部品の一つであり、エンジンスタートやライト、エアコンなどあらゆる電装品の作動に関わっています。バッテリー自体が火を噴くことは稀ですが、経年劣化や点検の不備、端子の緩みによるスパーク、ショートなどが引き金になって火災が起こることがあります。

特に最近は、ハイブリッド車やEV(電気自動車)に搭載されている高出力のリチウムイオンバッテリーが普及しており、これらのバッテリーは高温や衝撃に非常に敏感で、制御が効かなくなると化学反応により発火する可能性があります。ただし今回の出火した車両が内燃機関車(ガソリン車)か電動車両かは明らかにされていません。

■ 車両火災の主な原因とは?

自動車火災の原因は、大きく以下の3つに分類されます。

1. 電気系統のトラブル
もっとも多いのが配線のショートや過電流、ヒューズの異常発熱などによる火災です。電装品の後付け改造や、適切でない配線処理なども火災の原因になり得ます。

2. 燃料漏れやオイル漏れ
燃料タンクやホースの損傷によって燃料やオイルが漏れると、熱を持ったエンジン部分に触れて引火することがあります。整備不良や不適切なパーツ交換が大きなリスクになります。

3. バッテリーの不良
先述の通り、バッテリーの劣化や破裂、ショートなどが火災につながる可能性があります。

■ 車両火災を未然に防ぐための心得

それでは私たちが日頃からできる車両火災の予防策にはどのようなものがあるのでしょうか?以下にポイントをまとめます。

1. 定期的な点検・整備を怠らない
車検だけでなく、半年に1回程度は専門業者による定期点検を受けることで、電装系や燃料系の異常を早期発見できます。また、オイルや冷却水の交換も重要です。

2. バッテリーの状態をチェックする
定期的に電圧や端子の状態を確認し、長年使用している場合は早めの交換を考えましょう。端子が白い粉で覆われている場合、接触不良や腐食のサインです。

3. 家庭用・DIY整備には注意
カー用品の取り付けや電装機器の追加などを自分で行う際には、必ず信頼できる情報をもとに正しい処理を行ってください。配線の誤りが火災の原因になることもあります。

4. 異変を感じたらすぐに停車
焦げ臭いや異音、煙などの異常を感じた場合は、すぐに車を安全な場所に停車し、エンジンを停止。その後は車両から離れて安全を確保するとともに、必要に応じて消防に通報しましょう。

5. 消火器の携行
小型車載用の消火器はホームセンターやカー用品店で購入できます。万一の初期消火用として備えておくのも安心材料の一つです。

■ 車両火災は「予防」できる

今回の車両火災事件では、人命に危険が及ばなかったことが何よりの救いでした。しかし、もし運転者が気づくのが遅れていたら、より大きな被害が出ていた可能性は十分にあります。

車は日常的に使う便利な道具である一方で、構造上はガソリンや大量の電気を扱う“危険物”でもあります。日頃のメンテナンスを怠らず、「いつかに備える」という姿勢が、結果的に自分や家族、さらには周囲の人々を守ることにつながります。

近年の車は技術も進歩し、大きな故障や火災の発生率は非常に低くなってきているとはいえ、「ゼロ」ではありません。些細な違和感を見逃さず、情報に敏感になり、安心して安全なカーライフを送りましょう。

今回のニュースに心を痛めた方も少なくないでしょう。私たち一人ひとりが注意を払い、事故や火災を未然に防ごうという意識を持つこと。それが、同様の悲劇を起こさないための第一歩になります。