経済

「ラテマネー」とは?日常の小さな出費が未来を左右する理由

気づかぬうちに増える無駄遣い、「ラテマネー」とは

毎日コンビニで買うコーヒーや、なんとなく立ち寄ったカフェでのラテ——。「たった数百円だから」と思っていませんか? こうした日常的な小さな支出を、アメリカのファイナンシャルアドバイザー、デヴィッド・バック氏は「ラテマネー(Latte Money)」と呼び、将来的な資産形成の障害になりうると警鐘を鳴らしています。

塵も積もれば山となる金額

例えば、毎日500円のラテを買うとします。これを月に20日間続けた場合、月額1万円、年間では12万円。仮に30年間続ければ、それだけで360万円もの支出になります。しかも、これが資産運用されていれば、複利効果で何倍にも膨らんでいた可能性があります。

お金の「使い方」を見直す重要性

ラテマネーという言葉は、単にコーヒーの出費を指すだけでなく、もっと広範な「小さな無駄遣い」に警鐘を鳴らしています。無駄を一切なくす必要はありません。問題は「無意識的な出費」、つまり価値を感じていないのに習慣でしてしまっている出費です。たとえば、使わないサブスクリプションの継続や、不要なコンビニでの買い物などが該当します。

自己投資に変えるという思考転換

ラテ1杯分のお金を読書や学習、運動などの自己投資に使うと、将来的に大きなリターンが見込めます。例えば、毎月1万円を証券口座に積立て投資した場合、年利5%程度でも20年後には約400万円以上になります。つまり、小さな節約が将来の安定や安心に直結するのです。

現代におけるラテマネーの多様化

最近ではコーヒー以外にも、サブスク、ガチャ課金、コンビニスイーツ、フードデリバリー、定期的なガジェットの買い替えなどが「現代版ラテマネー」として警戒されています。技術やサービスの進化により便利さが向上した一方で、「便利=必要」という錯覚に陥っているケースも少なくありません。

支出を「見える化」してコントロールする

自分の支出傾向を把握するためには、家計簿アプリなどの活用が効果的です。支出を「見える化」することで、無駄な出費に気づきやすくなります。また、毎月の固定費やサブスクなども一度見直してみましょう。「今何にいくら使っているか?」を正確に把握することが、健全なお金との付き合い方に繋がります。

少しの意識改革が大きな違いを生む

ラテマネーに注目することは、自分自身の価値観と向き合うことでもあります。その支出が、自分にとって本当に必要なものなのか、満足感や楽しみに繋がっているのかを考える習慣を持つことが大切です。

たった1杯のコーヒーを我慢することで人生は変わる、と言うのは極端かもしれません。しかし、その背後にある「積み上げの怖さ」「無意識の支出を減らし、意識的な生き方をする大切さ」といった考え方を学ぶには、「ラテマネー」の概念は非常にわかりやすい入り口になるのではないでしょうか。

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