名物「パンダ」がいなくなった白浜への影響
和歌山県白浜町は、美しい海岸線と温泉、そして何より「アドベンチャーワールド」のジャイアントパンダで有名な観光地です。ところが昨今、その白浜である変化が起きています。それは、長年人々を惹きつけてきたパンダたちが中国へ返還されたことが原因とされる、観光客の減少です。
宿泊者数の減少と観光業への打撃
白浜町内の宿泊者数が前年と比べておよそ1割減少したという報道がありました。その背景としては、パンダの不在が大きく影響していると考えられています。アドベンチャーワールドにいたパンダたちが帰国したことで、目当てにしていた家族連れや動物好きの観光客の足が遠のいてしまったのです。
リピーターを含め、“パンダを見るために白浜へ行く”という動機は非常に強力でした。それが今、失われたことで町の宿泊施設、飲食店、お土産屋など広範囲にわたって経済的打撃が広がっています。
白浜の観光資源はパンダだけではない
とは言いつつも、白浜には他にも魅力的な観光資源があります。白良浜の美しい砂浜、歴史ある円月島や、湯崎温泉など、自然と歴史、癒やしを兼ね揃えた地域なのです。
今後は、こうした既存の資源を生かし、新たな観光体験を作り出すことが求められています。たとえば、地元食材を使ったグルメフェアや、パンダにちなんだアートや展示で訪れる人の興味を引き続ける努力が重要になるでしょう。
地域が持続可能な観光を実現するには
観光資源に頼る町の宿命とも言える『一強依存』。パンダという強力な観光資源がなくなったことで、そのリスクが可視化された形です。これを機に、地域全体のブランド化や、多様な体験を生み出す持続可能な観光戦略が問われます。
また、観光客目線だけでなく、地元に暮らす人々が誇りに思えるような町作りや価値提供が観光地のコアとなるでしょう。
まとめ:白浜が持つ“本来の魅力”に今こそ注目
パンダの不在は確かに寂しい知らせでしたが、その喪失を契機に白浜が持つ本質的な魅力を再発掘するチャンスでもあります。観光という手段を通じて、自然・文化・歴史の魅力を再構築し、町と人とが共に持続可能な未来を迎えられるような観光モデルの創造が期待されます。