※この記事は、Yahoo!ニュースの以下の記事を基に再構成し、関係者の経歴にも触れながら、読みやすくまとめたものです。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6536851?source=rss
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2024年夏、バスケットボール界にビッグニュースが飛び込んできた。米プロバスケットボールNBAの名門ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズが、2024-25シーズンも現役続行を発表。さらに、ドラフトを経てレイカーズに指名された長男ブロニー・ジェームズと共に、父子で同じチームでプレーするという、夢のような瞬間が実現することになった。
今回のニュースの主役、レブロン・ジェームズは、今や誰もが知るNBAのレジェンドだ。1984年オハイオ州アクロンに生まれたレブロンは、高校時代から「キング」と呼ばれ、高卒でNBAに入団。2003年にクリーブランド・キャバリアーズから全体1位指名を受けプロ入りした。以後、マイアミ・ヒート、キャバリアーズ、レイカーズと渡り歩き、4度のNBA優勝、4度のシーズンMVP受賞など輝かしい実績を打ち立てた。
レブロンの評価は、単なる得点力や身体能力の高さだけではない。卓越したコートビジョン、リーダーシップ、そして予測不能な状況でも冷静にプレーを組み立てるバスケットボールIQの高さが、彼を特別な存在にしている。また、コート外でも社会問題に積極的に発言する影響力を持ち、チャリティー活動にも熱心な姿勢は、アスリートの社会的役割を再定義した存在とも言えるだろう。
そんなレブロンの長男、ブロニー・ジェームズ(本名:レブロン・ジェームズ・ジュニア)は、父の背中を追うようにバスケットボールの道を選んだ。2004年生まれのブロニーは、小さい頃から周囲の期待を一身に背負ってきたが、そのプレッシャーをものともせず、着実に成長を続けてきた。
南カリフォルニア大学(USC)で1年生シーズンを過ごしたブロニーは、大学バスケットボール界でも注目の存在だった。入学直後には心臓に関する異常が見つかり、一時は選手生命さえ危ぶまれたが、見事に復活。その強い精神力は、父レブロン譲りとも言えるだろう。プレースタイルは父に似て多才で、特にディフェンスにおいてチームに貢献することができる一方、シュート力やボールハンドリングも高く評価されている。
そんなブロニーをレイカーズが2024年NBAドラフトの2巡目(総合55位)で指名したことは、単なる話題作りではない。米メディアでは「ブロニーは確かに成長過程だが、NBAで生き残れるだけの素質を持っている」と評価する声も少なくない。もちろん父レブロンと同じチームでプレーすることが注目されがちだが、ブロニー自身もプロ選手としてのプライドを持ち、しっかりと自らのキャリアを築こうとしている。
今回の父子共演はNBA史上初の出来事だ。親子が同じユニフォームを着て同じコートに立つ……それは何よりも2人にとって、かけがえのない瞬間となるだろう。レブロン自身、これまで何度も「息子と一緒にプレーするのが僕の夢だ」と語ってきた。それが現実になったこの瞬間、バスケットボールファンならずとも胸を打たれる。
ちなみに、レブロンは2023-24シーズン終了後、現役続行か引退かについて慎重に発言をしていた。それだけに今回の決断は、父レブロンにとって「夢の実現」のための覚悟でもある。39歳になるレブロンにとって、選手としてプレーし続けるには肉体的な負担も大きい。しかし、それを乗り越えてでも「息子と同じコートに立つ」という願いを叶えたい──そんな父親としての想いが詰まった決断なのだ。
また、レイカーズにとっても、この父子プレーは大きな意味を持つ。チームは今シーズン、新たに元NBAスター選手のJJ・レディックをヘッドコーチに迎えた。レディックは現役時代、抜群のシュート力で知られた選手であり、引退後はスポーツメディアで鋭い解説を続けてきたが、今回は指導者としてレイカーズを率いる大役を任された。
レディックにとっても、レブロンという歴史的な選手と、未来を担うブロニーという若手を同時に育成・指導できることは、監督キャリアにおける貴重な経験となるだろう。クリエイティブなオフェンスとディフェンスの再構築で定評のあるレディックが、どんなチーム作りを目指していくのかにも注目が集まっている。
一方、レブロンの契約内容にも注目したい。今回はレイカーズとの新契約として、2年総額1億400万ドル(約162億円)で合意し、2年目はプレーヤーオプション付き、つまり本人が希望すれば契約を更新せずに自由契約になることができる。この柔軟な契約形態は、レブロン自身が今後の状況を見極めながらキャリアをコントロールするためのものと見られている。
もちろん、NBAという熾烈なリーグで、親子だからといって特別扱いは存在しない。コート上ではともにチームの一員として結果を求められる。そして何より、2人が同じコートに立ち、互いを助け合いながら勝利を目指す姿は、世界中のスポーツファンに勇気と感動を与えるに違いない。
父の夢、息子の挑戦、家族の絆、そして新たなるNBAの歴史。2024-25シーズン、レイカーズの物語から目が離せない。