【記事タイトル】「疑惑判定」に泣いた千賀滉大 三重殺で流れを失った残念な一日
メジャーリーグで活躍するニューヨーク・メッツの千賀滉大投手が、現地6月2日（日本時間6月3日）に行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に先発登板しました。しかし、この試合では思わぬアクシデントが千賀選手を襲いました。誤審ともとれる判定が試合展開に大きな影響を与え、結果的にチームも大差で敗れる苦い経験となったのです。今回は、この「疑惑の判定」とそこから起こった「三重殺（トリプルプレー）」について詳しく振り返るとともに、千賀投手の置かれた現状と、今後への期待について考えてみたいと思います。
■「三重殺」発生のきっかけとなった疑惑の判定
2回裏、メッツは1死満塁という絶好のチャンスを迎えます。バッターはブランドン・ニモ外野手。ここで一打逆転、あるいは大量得点が期待される状況でした。ニモ選手が放った打球は一塁線を鋭く破るかに見えた打球。しかし、一塁塁審はこれを「ファウル」と判定しました。
その瞬間、ベンチのメッツ首脳陣、選手たち、そしてスタジアムにいた多くのファンが息を呑みました。リプレーで確認すると、ボールは確かにフェアゾーンに落ちていたようにも見えます。通常、フェアかファウルかの判定はとても微妙なものであり、審判の判断が最優先されますが、この場面に関しては疑問を抱かざるを得ないものでした。
さらに悪いことに、メジャーリーグでは一塁線上のフェア／ファウルの判定はリプレー検証の対象外と規定されており、監督がチャレンジ（ビデオ判定要求）することもできないのです。これにより、明らかに流れを握るチャンスだったメッツは、得点機会を失ってしまいました。
■一瞬の隙に発生した「三重殺」
判定後、気持ちを切り替えたいメッツでしたが、動揺は隠せませんでした。続く打席で、ニモ選手は内野ゴロを打ち、ホームゲッツーを狙ったかたちになりました。しかし、ここでプレーがもつれ、なんと「三重殺」が成立するという珍しいプレーが起きてしまったのです。
この三重殺（トリプルプレー）は、メジャーリーグでもなかなか見られない稀有なプレー。千賀投手もベンチでぼう然とした表情を浮かべ、ただただ呆然と流れを見守るしかありませんでした。
このプレーによってメッツは無得点に終わり、千賀投手にとっても大きな援護を得られないばかりか、心理的にも厳しい状況が続くことになったのです。
■千賀滉大投手の投球内容と試合結果
トラブルに見舞われた千賀投手ですが、序盤は要所を締める投球を展開していました。しかし、援護点が得られない苦しい展開が続き、相手打線になかなか主導権を握らせないようなピッチングを続けながらも、徐々に疲れと集中力の低下が見られました。
結局、6回途中5失点（自責点4）で降板となり、チームも最終的には1－10で大敗してしまいました。千賀投手に2024年シーズン初黒星がつく形となり、非常に悔しい一戦となりました。
ただし、この日の千賀投手の投球内容を単純に結果だけで評価するのは早計と言えるでしょう。制球力にはやや課題があったものの、フォークボールを武器に奮闘し、崩れるまでに時間を稼いだことはチームにとっても次につながるポイントです。
■今後に向けて重要なこと
メジャーリーグでの戦いは、日本のプロ野球とはルールや雰囲気が異なり、ときには不可解な判定や、慣れない環境による困難も珍しくありません。千賀投手にとって、この日の「疑惑判定」と「三重殺」は、不運としか言いようがない出来事でした。
しかし、こうしたトラブルに対してどう対応するかが、真のエースへの成長には不可欠です。これまで千賀投手は、多くの困難を乗り越えてきました。福岡ソフトバンクホークス時代には育成出身からスターダムに駆け上り、メジャーリーグでも1年目から好成績を残してきた実力者です。
今回のような悔しい経験も、必ずや自身の成長材料とすることでしょう。「疑惑判定に泣く」ことがあったからこそ、本当に強い投手へと変わっていく。そう信じたくなるような千賀投手のこれまでのキャリアを思えば、今後さらに大きな飛躍が期待できます。
また、メッツというチーム自体も、この試合を機に結束を強めるチャンスかもしれません。誤審、ミス、困難…。そういった理不尽な出来事もまた、プロスポーツの一部です。その中でどう立ち向かい、勝利への道を築くかが、選手たちに問われています。
■ファンとしてできること
ファンとしてできることは、ただ選手たちを信じ、応援し続けることです。千賀投手には間違いなく実力があります。そして、彼の努力や感情を尊重し、温かいまなざしで見守ることが、きっと何よりの支えになるでしょう。
どんなに完璧な選手でも、時には予想外の出来事に見舞われ、理不尽な敗北を味わうこともあります。しかし、決してひとつの失敗で選手を評価せず、全体像を見据えて応援することが、私たちファンにとっても大切な姿勢です。
千賀投手には今後も多くの困難が待っているかもしれません。しかし、今回のような経験を糧にして、さらにたくましくなった姿を見せてくれると信じて、これからも声援を送り続けましょう。
■まとめ
現地6月2日に行われたメッツ対ダイヤモンドバックス戦は、「疑惑判定」と「三重殺」という思わぬ展開が試合の流れを大きく左右し、千賀滉大投手も苦しい登板となりました。しかしながら、そういった逆風の中でも諦めずに投げ続ける千賀投手の姿は、ファンにとって誇りであり、希望でもあります。
悔しさを胸に、次の試合で晴らす。そんな千賀滉大の快投を願って、これからも彼を応援していきたいと思います。
