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ジャガー横田と木下博勝、16年の結婚に幕──異色夫婦が歩んだ愛と別れの軌跡

2024年6月、芸能とプロレスの世界を股にかけた異色の才能、ジャガー横田とその夫・木下博勝の離婚が報じられ、日本中に衝撃が走った。このニュースは、多忙な日々を送りながらも長年連れ添った夫婦が辿った一つの結末として、多くの人に様々な感情を呼び起こした。ここでは、一斉報道された離婚の背景に加え、二人の歩みやそれぞれの人間的魅力について改めて見つめ直したい。

■元女子プロレス界の“レジェンド” ジャガー横田の軌跡

ジャガー横田、本名・木下利美(旧姓・横田)は、1951年7月25日、東京都荒川区で生まれた。1970年代から80年代にかけて、女子プロレス界の頂点に君臨したカリスマ的存在だ。キャリアのスタートは全日本女子プロレスで、圧倒的な身体能力と勝ち気な性格から“女子プロ界の虎”とも称されるようになった。異次元とも言えるアクロバティックな技と、試合運びの巧妙さで、観客を熱狂させた。

ライバル選手との数々の名勝負を繰り広げ、女子プロレスの黄金時代を築き上げた一人でもある。特にライオネス飛鳥や長与千種、ブル中野といった当時のスター選手たちとの抗争やタッグ特集は、今でも伝説として語り継がれている。

彼女がプロレス界に与えた影響は計り知れず、引退後もテレビやイベントへの出演を通じて後進の育成とプロレス文化の裾野を広げる役割を果たしてきた。リングを離れてもファンとの絆を大切にし、アイドル的存在としても支持を集め続けているその姿は、まさに“レジェンド”そのものだった。

■一方、夫・木下博勝氏とは?

ジャガー横田の夫である木下博勝氏は、医学博士という肩書きを持つ内科医。北海道出身で、札幌医科大学を卒業後、大学病院などで研鑽を積み、医師としてのキャリアを確かなものにした。彼がメディアに頻繁に登場するようになったのは、2004年のジャガー横田との結婚をきっかけにテレビなどに出演し、知名度を高めたことによる。また、Sweet Heartプロジェクトや「Dr.木下」としての講演活動などを通じてヘルスプロモーションにも力を注いできた。

二人の関係が注目され始めたきっかけは、年齢差と職業のギャップにある。女子プロレス界のレジェンドと、学術の道を歩む医学博士という、まるで別世界の人間同士が結ばれたことに、当初は多くのメディアや視聴者が驚きをもって受け止めた。しかし、互いに真摯に向き合い、2006年には長男の大維志(たいし)君が誕生。三人はテレビ番組や雑誌の特集で“理想の家族”としてたびたび取り上げられた。

■波乱もあった16年の結婚生活

二人の結婚生活は、芸能メディアによってしばしば報道され、その中には離婚の噂やすれ違いなども含まれていた。夫婦で出演するテレビ番組では、育児方針の違いやキャリアに対するスタンスの差が垣間見える場面も少なくなかった。

特に、子育てに関する意見の相違や夫・木下氏の言動に対する批判的な声は、SNSなどでもしばしば話題となった。しかし一貫してジャガー横田は「家族の在り方に正解はない」と語り、夫婦や親子としての絆を大切にしてきた。

2020年代に入ってからは、長男・大維志君の受験活動も注目を集め、厳しくも真剣に向き合う姿は、多くの親世代の共感を誘った。

■2024年、決断の年へ

そして2024年6月。報道によると、実は1年以上前から別居状態にあり、現在は離婚を前提に話し合いを進めているという。長年のすれ違いや価値観の違いがその理由であり、双方ともメディアに対して大仰なコメントをしているわけではない。むしろ、子どもがある程度自立しはじめたタイミングで、互いに新たな人生を選ぶ運びとなったのかもしれない。

今回の報道で印象的だったのは、ジャガー横田の揺るがぬ姿勢だ。「私の中で家族はとても大切な存在であることに変わりはない」と語り、離婚が「終わり」ではなく「次のステージへの新たなスタート」であるという思いを滲ませていた。プロレスラーとして幾度となく困難に立ち向かってきた彼女の眼差しには、今も未来を見据える強さが宿っている。

■“一女性”としてのジャガー横田

時に笑い、時に涙しながら歩んできた人生。リンクの上だけでなく、家庭や教育、芸能界など多くのフィールドでその力強さを発揮してきたジャガー横田は、誰もが憧れる“強く、美しく、しなやかな女性像”を体現してきた。今また、新たな人生というリングに立つ彼女を、多くの人が心から応援している。

離婚と聞くと、どうしてもネガティブな印象が先行してしまいがちだが、今回の決断には、互いを思いやった上での“前向きな別離”という成熟した選択が感じられる。これまでのように、これからも彼女は多くの女性たちに生き方のヒントを与え続ける存在であろう。

ジャガー横田と木下博勝、異界のようでありながら16年もの時を共にした“人生の共演者たち”。別れを迎えても、お互いの人生に刻まれた役割は決して色あせることはない。

彼女のこれからの活躍と幸せを、多くの人が心から願っている。