2024年6月3日夜、鹿児島県で最大震度4の地震が発生しました。この地震による津波の心配はなく、現時点で大きな被害の報告もありません。少し揺れを感じた方も多かったかもしれませんが、被災された方の報道もなく、ひとまず安心できる状況です。しかし、地震大国・日本に暮らす私たちにとって、こうした揺れは改めて地震への備えを見直す良い機会でもあります。この記事では、今回の地震の概要と、今一度確認しておきたい地震対策についてご紹介します。
■ 今回の地震の概要
6月3日午後9時14分ごろ、鹿児島県の一部地域で最大震度4を観測する地震が発生しました。気象庁が発表した情報によると、震源地は鹿児島湾で、震源の深さは約10km、地震の規模(マグニチュード)は4.6と推定されています。この地震による津波の心配はないとの公式発表がなされ、鹿児島をはじめとする近隣地域では特段の避難勧告や警報も発令されていませんでした。
鹿児島市やその周辺の一部地域で、震度4の揺れが観測され、他にも宮崎県や熊本県のいくつかの地域でも、震度3〜2の揺れが報告されました。報道によると、消防や警察などに大きな被害の通報はなく、住民の生命に関わる被害や建物倒壊などはなかったとのことです。
なお、地震発生時に気象庁によって発表された緊急地震速報は、比較的正確に通知され、多くの方がスマートフォンなどで警報を受け取ったとみられています。これにより一部の人々は身構える時間を確保できたともいわれています。
■ 鹿児島県と地震リスク
鹿児島県は、薩摩半島と大隅半島という二つの大きな半島を持ち、さらに多くの活火山が存在する火山地帯でもあります。桜島や霧島山といった活発な火山活動が見られる地域であり、地殻変動が比較的活発なエリアです。地震についても、プレートの境界に近い位置にあるため、有感地震が比較的発生しやすい地域といえます。
今回の地震は比較的規模の小さなものでしたが、今後、どのような地殻変動が起こるか明確には予測できません。桜島についても、過去には地震を伴う“噴火型”の活動が確認されており、火山活動との関連性にも注目していく必要があります。
■ 津波のリスクと気をつけたいポイント
ありがたいことに、今回の地震では津波の発生はありませんでした。一般に、震源の深さが浅く、規模が大きな地震が海底で発生した場合、津波を引き起こす可能性が高まります。今回のような震源の深さ10kmという浅さではありますが、マグニチュード(M)が4.6程度と津波を引き起こすには小規模だったため、津波の心配はないと判断されたのでしょう。
とはいえ、過去の事例に鑑みると、震源の位置や特定の地形条件によってはM6前後の地震でも小規模な津波が発生する可能性もありますので、地元のハザードマップや避難ルートなどを今一度確認しておくことが大切です。
■ 地震への備えを再確認する
災害は、いつどこで起きるか分かりません。とくに地震については予知が難しく、「気づいたときには揺れていた」というケースがほとんどです。そのため、日ごろからの備えが命を分ける鍵となります。
ここで、地震への基本的な備えについていくつか確認しておきましょう。
1. 家の耐震性を確認する
古い住宅にお住まいの方は、専門家による耐震診断を受けることで、倒壊リスクを大幅に軽減できる可能性があります。柱や屋根の補強など、短期間でできる対策もありますので、自治体の制度を活用して検討してみましょう。
2. 家族との連絡方法を決めておく
地震などの非常時には、電話がつながりにくくなることがあります。災害用伝言ダイヤルやSNS、メッセージアプリなど、複数の連絡手段を確認し、家族と合意しておきましょう。
3. 防災リュックと備蓄品の準備
最低3日分の水、非常食、簡易トイレ、ライト、モバイルバッテリーなどを備えておくことで、避難生活を一定の安心感のもとで送ることができます。定期的に中身を確認し、賞味期限を切らさないよう注意しましょう。
4. 家具の固定や安全確保
家具の転倒防止グッズはホームセンターなどで手軽に購入できます。特に寝室や子ども部屋など、倒れたときに命に関わるような場所に置かれた家具は、しっかりと固定しておくことが重要です。
■ 地域とのつながりも災害対策の一部
近年は地域コミュニティのつながりが希薄になりつつあるという指摘もありますが、いざというときには近隣の助け合いが被害を最小限に抑えてくれることがあります。自治体が開催する防災訓練や、町内会のイベントなどには可能な範囲で参加し、顔の見える関係を築いておくことが、安全な生活への一歩となります。
■ 最後に:日々の「備え」が未来の「安心」に
今回の鹿児島県での地震は、幸いにも大きな被害を出すことなく収束しました。しかし、地震はいつ、どこで起こるかを予測することが難しい自然災害です。だからこそ、日々の備えが何よりも大切です。
特別な専門知識や大きな出費が必要なわけではありません。今日からできる備えを、少しずつでも始めること、それが未来の自分や大切な人を守る力になります。
「備えあれば憂いなし」という言葉のとおり、今回の地震をきっかけに、今一度、私たちの日常を見直してみませんか。防災は、行動するその一歩から始まります。