2025年、日本の誇る国際的な一大イベント「大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)」が開催されます。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、未来の技術や持続可能な社会のあり方を体験できるこのイベントには、国内外から多くの注目が集まっています。そんな大阪・関西万博ですが、現在とくに話題になっているのが「並ばない万博」の実現をめざす新たな試み。今回は、その取り組みの中心となる「予約システム」についてご紹介します。
■「並ばない万博」とは?
万博といえば、多くの来場者が訪れることで知られています。過去の大阪万博(1970年)では約6,400万人が訪れ、来場者は人気パビリオンの前で長時間並ぶのが当たり前でした。しかし、2025年の大阪・関西万博では「並ばない万博」を掲げ、快適で効率的な来場体験の提供を目指しています。
その実現に向けた鍵が、「来場予約システム」です。このシステムを利用することで、来場者は事前に訪れたいパビリオンやアトラクションの予約を済ませた上で入場できるため、従来のような長時間の待ち時間をなくすことが可能になります。
■「デジタル万博」の挑戦
今回の万博は、デジタル技術を最大限に活用した「デジタル万博」としての側面も強調されています。スマートフォンやパソコンで予約できるこのシステムは、利便性を高めると同時に、万博会場内の混雑緩和にも寄与する予定です。
この予約制はすでにプレ予約段階が始まっており、なんと発表からわずか数日で約5万人の順番待ちが発生しました。これは「並ばずに体験できる」という新たな価値を多くの人々が強く求めている証拠ともいえます。
■予約方法と対象コンテンツ
大阪・関西万博の予約は、公式アプリやウェブサイトを通じて行うことができます。入場チケットとは別に、各パビリオンで実施される体験コンテンツに対して時間ごとの予約枠が設けられており、来場者は自分のスケジュールに合わせて体験したいコンテンツを計画的に選ぶことができる仕組みです。
現在公開されている部分によれば、予約は無料で行え、特定のコンテンツに対する需要が高まることが予想されるため、早めに予約を済ませることが安心とされています。また、予約がない方も一部のパビリオンやコンテンツには並ぶことで参加できるとのことなので、「完全予約制」というわけではありませんが、より快適に楽しみたい方には予約がおすすめです。
■5万人待ちの現実と課題
一方で、開始間もなくして予約システムには約5万人が待機列に並ぶという状況が発生しました。これは想定以上の反響で、現在も利用者がサーバーにアクセスしきれない、予約画面に進めないなどの声がSNS上でも見受けられます。
万博運営側はこの事態を受け、システムの安定性向上やアクセス方法の再構築など、ユーザーがスムーズに予約できるような改良を進めているとのこと。アクセス集中を緩和するために、時間指定制での受付、抽選方式の導入なども一部検討されており、今後の改善に期待したいところです。
■未来的な体験の入り口をつくるために
「並ばない万博」は、快適な観覧体験を提供するという点だけでなく、訪れる人すべてに「未来社会のヒント」を感じてもらうための入り口でもあります。限られた滞在時間の中で、効率よく多様なコンテンツを楽しむためには、こうした予約システムは非常に有効です。
また、シニア層や子育て世代、外国人観光客など、さまざまなバックグラウンドを持つ来場者にとっても、この仕組みは利便性を高めるものとなるはずです。一方で、デジタルに不慣れな方々にも安心して万博を楽しんでいただけるように、サポート体制の充実も併せて求められています。
会場内では、サポートスタッフによる操作案内や、専用の予約ブースなども検討されており、できるだけ多くの人が平等に楽しめる環境づくりが進んでいます。
■万博がもたらす未来への期待
大阪・関西万博は、日本だけでなく世界が注目するイベントであり、テーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」は、私たち一人ひとりがこれからの暮らしや社会のあり方を考えるきっかけとなります。
「並ばない」という体験も、その中の一つの象徴です。技術と創意工夫により、いかに私たちの社会を効率的で、かつ誰もが心地よく過ごせる場にしていけるか。今回の予約システムはその試金石ともいえるものです。
今後も予約システムをはじめとしたさまざまな取り組みが発表されていくと思われますが、それらがうまく機能し、すべての来場者が笑顔で未来に触れることができる万博となるよう、私たち一人ひとりの理解と協力もまた重要な要素となっていくでしょう。
■まとめ
2025年の大阪・関西万博では、「並ばない万博」を実現すべくデジタル予約システムが導入され、大きな注目を集めています。スタート直後から5万人以上がアクセスし、予約待ちになったことは、その関心の高さを示しています。同時に、技術的課題やアクセスの公平性といった点も浮かび上がっており、今後の運営改善が期待されています。
未来を見据えた万博で、「並ばない」体験が日常の風景となる。そんな近未来に一歩近づいた実感を、私たちはこの予約システムから感じ取ることができるかもしれません。
最新情報をこまめにチェックしながら、快適な万博体験を手に入れてください。2025年春、希望と夢あふれる未来社会が、皆さんを待っています。