2024年5月、大相撲界に朗報が届きました。初土俵からわずか10場所という異例のスピードで、大の里(おおのさと)が横綱昇進を果たしました。28年ぶりの所要10場所でのスピード昇進という快挙に、相撲ファンのみならず、多くの国民が感動しています。この記事では、大の里の昇進背景や横綱の月給制度、そして今後の活躍への期待について、詳しく見ていきます。
■ 大の里とはどんな力士か?
大の里は石川県出身の24歳(2024年現在)。本名は西山大翔(にしやま ひろと)で、身長190cmを超える恵まれた体格と、学生時代に磨いた取り口を武器に、プロ入り当初から注目を浴びていました。もともとアマチュア相撲の名門・日本体育大学で活躍し、大学相撲界で数々のタイトルを獲得。幕下付け出しデビューが許されるほどの実績を持っており、2022年の9月場所で初土俵を踏んで以来、破竹の勢いで番付を駆け上がっていきました。
2024年5月場所では優勝争いを最後まで演じ、大関としての2場所連続優勝という堂々たる成績を収めます。これが横綱昇進の大きな決め手となり、横綱審議委員会も「誠実な取り組み」「圧倒的な成績」として満場一致で横綱昇進を承認しました。
■ 異例のスピード昇進とその価値
大の里が横綱昇進を決めた「10場所」は、若貴兄弟で知られる若乃花以来、28年ぶりの最速記録です。一般的に、力士が幕下から横綱に昇進するには5年以上かかることが多い中で、10場所という短期間で横綱にたどり着くのは本当に稀なこと。これにより、大の里は「令和の怪物」とも称され、将来の相撲界を担う存在として広く期待が寄せられています。
■ 横綱になると月給はいくら?300万円の内訳
大相撲の力士には、番付に応じた月給制度が設けられています。時給や出場手当とは異なり、毎月安定した収入が得られるようになっているのが特徴です。幕下時代には無給に近い扱い(力士手当のみ)だったのが、十両昇進で約130万円、幕内に上がれば150万円というように増額されます。
そして、大関になると月給は250万円に跳ね上がり、横綱となるとその頂点である300万円に達します。これは基本給のみの金額であり、実際には本場所の出場手当、懸賞金、優勝賞金、褒賞金なども加わることで、実質的な月収や年収はさらに増えます。
また、「横綱報奨金」という制度もあり、横綱に昇進後の成績に応じて加点・支給されていきます。このため、安定した強さを示し続けることで、将来的な報酬はさらに増える可能性があります。
■ 月収だけではない、横綱の“地位”とは
月収が300万円というのは確かに大きな注目点ではありますが、横綱という地位は単なる収入の多さだけでは語れない重みがあります。横綱には特別な称号が与えられ、力士としての名誉や社会的ステータスが一段と高まります。
例えば、横綱になると土俵入りも「不知火型」または「雲竜型」といった特別なしきたりに従って行われます。これは横綱にしか許されない所作であり、神事の一環として多くのファンに見守られながら行われるものです。また、横綱昇進の際には、日本相撲協会からの推挙を受け、天皇賜杯を受け取るといった儀式も行われ、まさに国技の象徴としての重責を担う立場にあるのです。
■ 大の里の横綱昇進がもたらす波及効果
大の里の快進撃と横綱昇進は、現在の相撲界に新風をもたらすと同時に、地方や若年層における相撲人気の再燃にもつながっています。特に、スポーツ界全体で「若手の台頭」が注目される中で、大の里のように若くして結果を出す存在は、多くの人々に勇気と希望を与えており、「次代の錦」への期待が高まっています。
さまざまなメディアでは、大の里の人柄にも触れられており、報道陣への丁寧な受け答えや、稽古に対する真摯な姿勢、父親への感謝の気持ちなども好感を持たれています。単なる強さだけでなく、礼儀正しさや周囲への思いやりもまた、「真の横綱」にふさわしい要素といえるでしょう。
■ 今後に向けての課題と展望
もちろん、横綱になったからといって、常に勝ち続けなければならないというプレッシャーは計り知れないものがあります。横綱は「負けてはいけない」という評価基準もあり、連敗が続けば休場や引退といった選択も迫られることがあります。その点で、ケガとの戦い、精神的な安定、そして長期的な体調管理が非常に重要となってきます。
しかし、大の里には、多くのファンが「安心して任せられる」と感じる理由があります。それは、まだ若く伸びしろが大きいこと、そして何より真摯に相撲に取り組む真面目な性格と努力家の姿勢が、未来への期待を大きく広げているからに他なりません。
■ まとめ
大の里の横綱昇進は、相撲界における希望と活力の象徴です。その異例のスピード昇進には、彼自身の才能と努力、そして支える多くの人々の存在がありました。月給300万円という数字に注目が集まりつつも、それ以上に重要なのは、その地位にふさわしい人格や覚悟です。
今後、大の里がどのように横綱としての道を歩んでいくのか、多くの相撲ファンは温かく見守り、そして応援し続けていくことでしょう。新・横綱の物語は、ここから本格的に始まります。