6月18日から19日にかけて、四国から関東甲信地方にかけて断続的に非常に激しい雨が降る見込みで、気象庁は「警報級の大雨」のおそれがあると発表しました。特に梅雨入り直後のこの時期、地盤が緩んでいるエリアもあり、土砂災害や浸水、河川の増水などさまざまなリスクが高まっています。この記事では、今回の大雨の概要と備えるべきポイント、そして私たちが取るべき行動についてまとめています。
■予想される大雨の範囲と時間帯
今回の豪雨は前線の活動が活発化することによりもたらされるもので、湿った空気が供給され続けるため、18日(火)午後から19日(水)にかけて、長時間にわたって雨が降り続く見込みです。特に四国、近畿地方南部、東海、関東甲信の広い範囲において、1時間あたり50ミリを超える非常に激しい雨が降るおそれがあり、総雨量が多くなる可能性があります。
現在の予測によると、
– 四国地方では18日午後から夜にかけて
– 近畿南部〜東海地方では18日夜から19日にかけて
– 関東甲信地方では19日未明から昼前にかけて
を中心に激しい雨となる見込みです。
特に山間部や川沿いの地域では、わずかな時間の集中豪雨でも土砂崩れや河川の急な増水が発生する危険性があるため、警戒が必要です。
■予想される被害とそのリスク
今回の大雨で予想されるリスクとしては、以下のものが挙げられます。
1. 土砂災害
地盤が緩みやすい梅雨時期、長時間の強い雨が降ることで、がけ崩れや地すべりが発生するおそれがあります。特に過去に土砂災害が発生している地域、傾斜地、盛土箇所などでは危険性が一層高まります。
2. 浸水・冠水
都市部では雨水の排水処理が追いつかず、道路の冠水や地下室・半地下の住宅の浸水などが懸念されます。また、わだちや窪地に水が溜まり、車の立ち往生事故が発生するケースもあるため、車の運転にも注意が必要です。
3. 河川の氾濫
中小河川では短時間の大雨でも急激に水位が上がりやすく、場合によっては溢れるおそれもあります。特に山間部を流れる河川周辺では、急な増水によって避難が困難になることもあるため、早めの避難判断が必要となります。
■適切な備えと行動
こうした自然災害に対する備えは「事前の準備」が非常に重要です。以下のポイントを参考に、ご自身やご家族の安全を守る行動を心がけましょう。
1. ハザードマップで確認を
お住まいの地域が土砂災害警戒区域や浸水想定区域に含まれているかを、市町村のハザードマップなどで確認しておきましょう。また、避難所の場所と避難経路も確認し、万が一の際にはすぐに行動できるようにしておくことが大切です。
2. 最新の気象情報をこまめにチェック
テレビやラジオ、スマートフォンの防災アプリ、気象庁のウェブサイトなどを活用して、最新の気象情報、警報・注意報、避難情報などを確認しましょう。情報はこまめに更新されるため、状況が変化していないかを定期的に確認することが重要です。
3. 非常用品の準備と再確認
数日間外出が困難になることも想定し、以下のような品目をまとめておきましょう。
– 飲料水(1人1日3リットル×3日分)
– 非常食(レトルト食品や缶詰、栄養補助食品など)
– 懐中電灯、予備の電池
– モバイルバッテリー
– 応急手当セット、常備薬
– 現金(停電時はキャッシュレス決済が使えないことも)
また、万一避難が必要になった場合に備えて、家族それぞれが持ち出せるように個別の防災バッグも準備しておくと安心です。
4. 移動や行動の慎重な判断
雨が激しくなる前に、外出の予定があれば早めに済ませておくことが肝心です。特に車の運転は、道路の見通しが悪くなったり、アンダーパス(地下道)や低地で冠水の危険があったりするため、可能な限り控えたほうが安全です。
また、無理な外出は控え、お子さんや高齢者などと一緒に安全な場所にとどまることが大切です。
■避難のタイミングと迷わない決断
土砂災害のリスクが高まった場合、「避難指示」や「高齢者等避難」といった情報が市区町村から発表されます。これらの情報は「避難の目安」であると同時に、「命を守る行動をとるタイミング」でもあります。
避難勧告や避難指示が出るまでの間にも、自主的な避難の判断が必要なケースもあります。特に高齢者や乳幼児のいる家庭、持病を持つ方などは早めの避難を心がけましょう。
避難先は必ずしも学校や公民館などの「指定避難所」である必要はありません。安全な親戚宅やホテルなど、より安心できる場所も選択肢のひとつです。
■心に余裕を持って行動を
天候が不安定な時こそ、私たちが大切にしたいのは「冷静さ」と「心の余裕」です。天気予報を見て不安になったり、過度に心配したりすることは自然な反応ですが、正しい情報と冷静な判断をもとに、行動を選んでいくことが私たち自身の安全につながります。
特にお子さんやご高齢の方は、家族の態度に敏感に反応します。落ち着いた行動をとることで、周囲も安心し、災害時の混乱を減らすことができます。
■おわりに
日本は四季がはっきりしている美しい国であると同時に、自然災害が多い国でもあります。今回のような大雨や台風、地震などに備えるためには、「もしも」の時に備えた日々の準備と、いざというときに冷静に行動する判断力が大切です。
梅雨に入るこの時期、不安定な天気が続いています。被害が出ないことを願いながらも、最悪の事態を想定した事前の備えを行い、自分自身と大切な人の命と暮らしを守っていきましょう。
最新の気象情報を確認し、危険が迫る前に早めの対策を講じましょう。皆さまの安全を心よりお祈りいたします。