近年、手軽に通えるフィットネスジムとして多くの人々に支持されてきた「chocoZAP（チョコザップ）」が、2024年6月、悪質な利用者に対し対策措置を取ったことを発表しました。この対応は、同社が利用者全体の安全・安心を守るべく講じたものであり、多くの利用者にとって朗報となる内容です。本記事では、今回の措置の背景や詳細、また再発防止に向けた今後の取り組みについて深掘りしていきます。chocoZAPとはどのようなサービスなのか、またなぜこうした措置が必要とされたのかについても触れていきましょう。
chocoZAPとは？自由な「ながら運動」を提供する新形態のジム
chocoZAPは、RIZAPグループが展開する24時間営業のコンビニ型フィットネスジムです。「運動習慣を“ラクに”“楽しく”続けることができる」というコンセプトの下、月額2,980円（税別）というリーズナブルな料金で全国各地に店舗を広げています。2022年のサービス開始以降、急速に会員数を伸ばし、現在では店舗数が千店を超えるまでに至っています。
無人運用のシステムと、ドレスコードがなく普段着で通えるという手軽さもあり、20代から高齢者まで幅広い世代に利用されています。中には、マッサージチェアやセルフ脱毛器、ホワイトニングマシンなど、他のジムには見られないバラエティに富んだ設備も人気です。「ながらジム」というキャッチフレーズの通り、ユーザーは自分の生活スタイルに合った形で、気軽に体を動かすことができるのです。
なぜ措置が必要だったのか？一部の悪質利用者による問題行動
こうした便利で自由度の高いサービスの一方で、それを悪用する一部の利用者の存在が明らかとなりました。報道によると、他の利用者に迷惑をかける言動や、館内ルールに反する行為を繰り返すなど“公共の場としてのモラル”が守られていないケースが複数確認されたということです。
具体的な問題行動の一例としては、以下のような内容が挙げられています。
– 使用後のマシンを拭かない
– 長時間に渡って施設を独占する
– セルフサービス機器を私物化するような使い方をする
– 店舗内での大声での通話や音楽、騒音行為
– 他の会員への無断撮影や声かけ
また、一部では「マナー違反を注意されたこと」に逆上し、運営側に対して暴言を吐くといった行為もあったといいます。こうした問題行動は、他の利用者にとって大きなストレスとなるだけでなく、施設の環境悪化を招く原因ともなります。
今回chocoZAPが発表した対策措置の内容
このような背景を受け、chocoZAPは一定の基準に基づき「悪質な利用者」へのアカウント停止処分を含めた措置を実施しました。具体的には、施設利用上のルールに複数回違反した会員、運営に対し威圧的・反社会的な言動があった会員などに対して利用停止処分が行われたとのことです。
また、同社は今回の措置について次のようにコメントしています。
「会員数が増える中で、より多くのお客様に快適にご利用いただくための環境整備は私たちにとって大変重要な課題です。すべての利用者様にとって“安心できる運動空間”を確保するため、ルールに反する行為に対しては今後も継続的に適切な対応を行ってまいります。」
これは、単なる行き過ぎた罰則ではなく、全会員が安心してフィットネスを楽しむ権利を守るための前向きな施策として評価されます。
併せて運用面での改善も進める
chocoZAPでは、アカウント停止措置に加えて、監視体制の強化やルールの再周知といった運用面での改善も図られています。たとえば、以下のような施策が講じられるとのことです。
– 館内にマナー啓発ポスターや注意書きを設置
– 利用開始時に自動的にマナーに関する注意を促す案内メッセージの表示
– AIカメラによる混雑情報の配信など、事前に他の会員と距離を取るための工夫
– サポートセンターでの通報受付体制の整備
また利用者同士のトラブルを防ぐため、「個人同士が干渉しすぎない」施設設計やレイアウトへの工夫も順次進めていくとのことです。
会員に求められるモラルと自己管理意識
このようなトラブルを未然に防ぐためには、施設側の努力だけでなく、利用する私たち一人一人のモラルやマナー意識も求められます。chocoZAPのような無人ジムは、高い自由度の代わりに自己責任での行動が原則となっています。そのため、以下のような基本的なルールを守ることが何より重要です。
– 利用後はマシンや使用した備品を消毒・整頓する
– 大声での会話やスマートフォンの使用を控える
– 他の方の運動スペースを侵さないように配慮する
– セルフサービス機器は節度ある時間内で使用する
– 施設内での撮影は控える、また他人を勝手に撮らない
“自由なジム”は“責任ある自由”のもとに初めて成立します。シンプルなルールの積み重ねが、快適なトレーニング空間を守る第一歩です。
ユーザーへの呼びかけと今後の期待
chocoZAPは、今回の措置を単なる一過性の処分ではなく、今後の施設運営の基盤と位置づけています。そして、ユーザーの声にも耳を傾けながら、よりよいジム環境づくりに努めていく意向を明らかにしています。
利用者側としても、「自分一人くらい大丈夫だろう」といった軽い気持ちが、他の誰かの不快感に繋がることを忘れてはなりません。ジムは多くの人々が共同で使うコミュニティスペースです。全員がルールを守り、譲り合いの気持ちを持つことで、今よりももっと快適で居心地の良い空間が生まれるはずです。
これからchocoZAPを利用してみようと考えている方にとっても、安心してジムライフを始められる環境が整いつつあるという点は心強いニュースと言えるでしょう。「手軽に楽しく、気持ちよく身体を動かす」という本来の目的を、より多くの人々が心置きなく実現できることを願ってやみません。
今後、chocoZAPのような新しい形態のフィットネスジムはますます普及していくことが予想されます。その中で、利用者一人ひとりの行動が、施設全体の快適さを左右することを私たちが認識することが、安心して使える社会インフラとしてのジムづくりにとって重要なのです。今回の措置はその第一歩として、大きな意味を持つ出来事であるといえるでしょう。
