新米が「2等米」判定でも価格は最高値——猛暑の影響と、私たちにできること

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新米が「2等米」判定でも価格は最高値——何が起きている？

新米の出回りが始まると同時に、検査等級で「2等米」と判定される割合が増えたというニュースが注目を集めています。背景には、記録的な猛暑がもたらした品質と収量への影響があります。一方で市場価格は最高値圏。品質判定と価格の“ねじれ”は、いったいなぜ起きるのでしょうか。

「検査等級」と「おいしさ」は別物です

まず押さえておきたいのは、検査等級（1等・2等・3等）は、粒の外観や整粒割合などの見た目を中心に評価する制度で、炊いたときの味や香りを直接評価するものではないという点です。猛暑の影響で「白未熟粒」や「胴割れ粒」が増えると、見た目の評価が下がり2等判定になりやすくなります。しかし、2等米＝おいしくないとは限りません。産地の工夫や保管状態、精米の新しさ、炊き方次第で、十分に満足できる味わいになります。

猛暑がもたらす3つの変化

外観品質の低下：高温ストレスでデンプンの蓄積が不均一になり、白濁や割れが増加。検査等級に影響します。
収量の減少：登熟期間の高温で粒が充実しにくく、可食部分の割合が減り、出荷量が細る可能性があります。
コストの上昇：肥料・燃料・資材価格の高止まりが続くと、生産・物流コストが米価に反映されます。

それでも価格が上がる理由

価格は需給で決まります。出荷量が減り在庫が薄くなると、相対的に価格は上がります。加えて、保管・輸送コストの上昇も価格を押し上げる要因に。等級は“見た目の基準”であり、必ずしも需要を弱めるわけではないため、「2等判定が増えても価格は上がる」という状況が生まれます。

私たちにできる、賢い選び方とおいしく食べ切るコツ

米選びのポイント

精米日を確認：同じ銘柄でも精米が新しいほうが香り高く、甘みが感じやすいです。
保管温度に注目：低温倉庫保管やクール便対応を明記しているショップもあります。
ブレンド米も選択肢：単一産地にこだわらず、バランスよく仕上げたブレンドはコスパと味の両立に貢献します。
無洗米の活用：洗米の手間とロスを抑え、味のブレも少なく扱いやすいです。

保存の基本は「低温・遮光・密閉」

常温の高温多湿を避ける：キッチンの熱源近くはNG。冷暗所か冷蔵庫の野菜室が安心です。
密閉容器＋防虫：密閉できる米びつと防虫剤で、酸化と虫害を予防。
買いすぎない：家庭では2〜4週間で食べ切れる量に。

炊き方で差がつく「2等米」攻略テク

洗いすぎない：ぬか臭のない新米は軽い研ぎでOK。こすり過ぎは割れやすさを助長します。
浸水は水温を意識：暑い季節はぬるい水での過浸水に注意。冷水で短めに、または冷蔵庫でゆっくり吸水。
水加減はやや控えめ：新米は含水率が高め。炊飯器の銘柄/新米モードがあれば活用を。
炊飯は「圧力IH」や炊き分け機能が有利：粒の崩れを抑え、甘みを引き出しやすいです。
蒸らしとほぐし：炊き上がりは10分ほど蒸らし、しゃもじで天地を返して余分な水分を飛ばします。
余ったご飯は粗熱を取って即冷凍：解凍はラップのままレンジで。パサつきを抑えられます。

家計と満足度を両立する「おすすめアイテム」

圧力IH炊飯器（象印炎舞炊きなど）：火力と圧力制御で粒の輪郭と甘みを引き出し、等級差を感じにくくします。購入先：Amazon｜楽天
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生産者への敬意と、食卓の豊かさを守るために

猛暑のなかでもおいしいお米を届けるため、産地では栽培・選別・保管の工夫が積み重ねられています。私たちは、賢い選び方と調理の工夫で価値を最大化し、買ったお米を最後までおいしく食べ切ることで、フードロス削減にも貢献できます。等級に過度にとらわれず、実際に炊いてみて感じる“おいしさ”を大切にしていきたいですね。