2024年7月7日、日本全国の市区町村窓口が例年にない賑わいを見せました。この日は日付が「2024年7月7日」、すなわち「777」と並ぶことから“7”にちなんだ縁起の良い日として、婚姻届の提出が多く行われた特別な一日となりました。実に約30年ぶりに訪れたこの“トリプルセブン”の日には、全国で多くのカップルが人生の門出を祝福されながら、婚姻届けを提出する姿が見られました。
この記事では、この「777」の日に込められた意味や背景、市区町村の対応、実際に婚姻届けを提出した人々の声、そしてこのような記念日に結婚が集中する日本独特の文化について、詳しくご紹介していきます。
「7月7日」は何が特別なのか?〜七夕と“縁起の良さ”
日本では、7月7日は「七夕」として古くから親しまれています。織姫と彦星が天の川を渡って一年に一度会えるというロマンチックな伝説の日として、多くの人に知られています。しかし、2024年の7月7日はそれだけではありません。日付が「2024/7/7」と、数字の「7」が3つ並ぶ“トリプルセブン”、すなわち「777」の日となります。
この「777」という数字は、日本だけでなく世界的にも縁起の良い数字として知られています。特にパチンコなどでは「大当たり」の象徴で知られており、「良いことが起きそう」「幸運の訪れ」といったイメージをもつ方も多いでしょう。そして、こうした“運の良さ”や“記憶に残る日付”を大切にしたいという思いから、多くのカップルがこの日を「入籍日」に選んだのです。
約30年ぶりのチャンスに行列も
2024年の7月7日は“777”がそろう特別な日でしたが、これは実に約30年ぶりの出来事でした。前回、このような形で3つの「7」が並んだのは1994年の7月7日。つまり、市民がこの日に再び婚姻届けを提出できる機会は、およそ一世代ぶりとなったのです。
こうしたことから、各地の役所には早朝からたくさんのカップルや家族連れが来庁し、婚姻届の提出に長い列を作っていました。東京都内では、開庁前から並ぶカップルも見られ、中には記念の写真を撮影している様子も。役所職員によると、通常の10倍近くの提出件数になるケースもあり、一部の市では臨時窓口を設けて対応にあたりました。
市区町村のユニークな対応
この特別な機会にあわせて、多くの自治体では婚姻届けを提出するカップルに喜んでもらえるようにと、工夫されたサービスが実施されました。
たとえば、地元キャラクターと一緒に記念写真が撮れるフォトブースや、「777婚」専用の記念用紙、オリジナル婚姻届台紙の配布など、祝福ムード満載の演出が用意されました。担当者は「この門出が素敵な思い出になるように、少しでも記念になる体験を提供できたら」と話しており、行政と市民との心のつながりが感じられる素敵な地域の取り組みも多く見られました。
また、夜間受付も可能なように、24時間体制で対応する自治体も存在し、「どうしてもこの日に出したかった」というカップルのための柔軟な運用がなされていました。自治体の中にはSNSで特別な受付時間や記念フォトスポットの案内をするなど、現代的なアプローチで若者のニーズに応える工夫も。
実際の提出者たちの声
「日付が『777』って一生に一度レベルのインパクトですよね。どうしてもこの日にしたかったんです!」と笑顔で語る新婦の声。多くの提出者が「一目で覚えやすい記念日」「幸先の良いスタートを切れる気がする」と、前向きで明るい気持ちでこの日を選んだことを話していました。
また、あるカップルは「両親が結婚した日にちも7月7日だったので、自分たちもその日に倣って入籍することにしました」と、家族の絆を感じさせるエピソードも話してくれました。
一方で、「こんなに混雑するとは思っていなかった」「記入ミスがあって並び直しになった」といった声もあり、多くの人が集中する中での提出ゆえの戸惑いもあったようです。それでも、「一生に一度の記念日だから、並ぶのもよい思い出になりました」という前向きな声も多く、全体的には晴れやかで祝福ムードに包まれた一日となりました。
“記念日婚”がもたらすもの
「入籍日」を大切にする文化は、近年の日本において急速に広まっています。語呂が良い日やゾロ目、特定のイベントと同日などにちなんだ“記念日婚”は、一生の記憶に残るだけでなく、毎年の記念日にも特別な意味を与えます。
こうした文化が広がる背景には、個々のライフスタイルを重視する現代人の価値観があるといえるでしょう。どんな日を選ぶかはその人の自由であり、たとえ混雑していたとしても「この日であること」に意味を見出し、パートナーと共に特別な思い出を刻むことができるのです。
今後「888」「999」などの記念日も注目されるか?
今回の「777」婚を受けて、次に話題となるのは「888」(2028年8月8日)かもしれません。“末広がり”として縁起の良い「8」が並ぶ日ということで、今からその日に向けたプランニングを始める人も出てくることが予想されます。
こうした数字に込められた人々の思いを大切にできるよう、自治体側の工夫や柔軟性もますます求められる時代になりそうです。
まとめ 〜777の日に誓った永遠の約束〜
2024年7月7日は、「777」という特別な数字がそろう、記念すべき日でした。この日、多くのカップルたちが幸運と愛情を信じて婚姻届を提出し、新たな人生を歩み始めました。家族の思い出に重ねて選ぶ人、覚えやすい記念日として選ぶ人、ただ数字の語呂にロマンを感じる人——その理由はさまざまですが、どれも人生の節目にふさわしい美しい決断だったことでしょう。
日付に込められた意味と共に、パートナーと築いていく未来が、より幸せに溢れたものとなることを願ってやみません。今後も“記念日婚”という文化が、多くの人々にとって心豊かな結婚生活の第一歩となるよう、社会全体で見守り続けていきたいものです。