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2024年オールスターに選ばれなかった実力者たち──“漏れ”が物語るプロ野球の今

プロ野球ファンにとって毎夏の風物詩ともいえる「マイナビオールスターゲーム」。日本野球機構(NPB)が主催し、セ・リーグとパ・リーグの精鋭が一堂に会するこの戦いは、ファン投票や選手間投票、監督推薦、そして最終的な選出により出場選手が決定します。スター選手が集結するこの夢の舞台ですが、毎年話題を呼ぶのが「なぜこの選手が選ばれなかったのか?」という“漏れた主な選手”のリストです。

本稿では、2024年のNPBオールスターゲームにおいて惜しくも出場が叶わなかった注目選手たちを紹介するとともに、その背景や理由、ファンの声なども踏まえながら、今季のオールスター選出の舞台裏に迫っていきます。

■ ファンを驚かせた“選外”の実績派たち

今季のオールスターで最も驚きをもって報じられたのが、今シーズン好成績をおさめている選手の一部が選出されなかった点です。

中日ドラゴンズの髙橋宏斗投手はその代表格。今季は防御率2点台前半と安定感抜群の投球を続け、チーム内でもエース級の働きを見せています。ストレートの球威、鋭い変化球、精神面でも成熟しつつあるその姿は、ファンだけでなく専門家からも「オールスターで見たい」との声が数多く上がっていました。それにもかかわらず、今回は選出されず。ややファン投票での票数が伸び悩んだことが影響したと推測されますが、これには驚きの声が広がりました。

読売ジャイアンツの岡本和真選手も選に漏れたことが話題に。岡本選手はこれまでのシーズンで一貫して高いパフォーマンスを維持しており、本塁打数や打点の面でもセ・リーグ有数のスラッガーとして活躍を続けています。まさかの落選には「見逃し三振のような衝撃だ」とSNSで嘆くファンも少なくありませんでした。

■ パ・リーグの“影の主役”も漏れる

一方、パ・リーグでも目を見張る活躍をしながら選ばれなかった選手がいます。オリックス・バファローズの山下舜平大投手は、開幕直後から圧巻の投球を見せていた存在。若手ながら堂々としたマウンドさばきと速球派の魅力で“未来のエース”と言われる彼のオールスター出場を期待していたファンは多かったのではないでしょうか。ですが、今回は惜しくも選出外となりました。本人が徐々に調整を重ねていた時期と重なったという面もあり、身体の状態を万全にするためオールスターに無理をして出場しない選択をした可能性もあると考えられます。

また、ソフトバンクホークスの和田毅投手の名前もファンの間で取り沙汰されました。40歳を超えるベテランでありながら、今季は驚きの好投を続け、若手に劣らぬ成績を残していただけにオールスター復帰を惜しむ声がSNSなどで多数見られました。

■ 選出基準の壁―ファン投票の光と影

オールスターの選手選出にはいくつかのプロセスがあり、それぞれの観点が異なるため、一概に「成績順に並べれば選ばれて当然」というわけではありません。

まず、最大の選出枠ともいえる「ファン投票」では、選手の知名度や印象、チームの人気度といった面も大きく反映されます。たとえ成績が素晴らしくても、注目度が他の選手に比べて低ければ票が集まらないのは自然なことです。これにより、普段からメディア露出が少ない球団や地方球団の主力が選出から漏れるケースがあるのです。

また「監督推薦」や「選手間投票」はより実績や目の前の活躍を重視する傾向にありますが、こちらもポジションのバランスや試合での起用のしやすさといった現実的な事情が絡んできます。そのため、単に“良い成績を挙げているから”というだけで全員が選ばれるわけにはいかないのが現状です。

■ ファンの声とSNSの影響

現代ではSNSの発展に伴い、ファンのリアルタイムでの声がすぐに広まり、それが世論となるケースも増えています。Twitter(現X)やInstagramなどを中心に「なんであの選手がいないの?」「この選手こそ今季最高!」という投稿が、今回も大きな盛り上がりを見せました。

特に落選が意外視された岡本和真選手に対しては、直後に「これはプロ野球界の損失だ」といった声もあがるなど、多方面から注目されました。また、山下舜平大投手については「未来のスターを今年のオールスターで見たかった」という意見が相次ぎ、プロ野球が新しいスターをいかに待望しているかを改めて感じさせられました。

■ オールスターは“夢の舞台”でありながら“現実の縮図”

オールスターゲームはファンタジーでもあり、もう一つの勝負の場でもあります。選手たちは時にファンサービスとして出場し、時にライバルとの真剣勝負を楽しみます。しかしながら、選出という点では明確に線が引かれ、必ずしも全ての選手が選ばれるわけではありません。

漏れた選手たちにとっては、これは決して“敗北”ではありません。オールスターを通じて得られること、あるいはそこで得られないことで奮起する選手もいるでしょう。「悔しさをシーズン終盤にぶつけて巻き返してくる選手こそが真のスター」と語る指導者もいます。事実、過去にはオールスターを逃したことで覚醒した選手も少なくありません。

■ 終わりに:選ばれなかった選手たちにも注目を

オールスターゲームの醍醐味は選ばれた選手のプレーを見ることはもちろんですが、選ばれなかった選手の奮起にも大きな魅力があります。シーズン後半戦、彼らがどんなふうに野球人生を続け、魅せてくれるかに期待したいところです。

今年の“漏れた主な選手”は、まるで次回作を待たせる布石のようでもあります。彼らの次のオールスターへの挑戦はすでに始まっているのです。ファンとしてはその過程を応援することが、何よりの楽しみではないでしょうか。

オールスターは終わりではなく、選手たちの“現在地点”を知る場。その視点で、今年の野球シーンをより深く楽しむ迎え方をしてみてはいかがでしょうか。