2024年6月12日、鹿児島県十島村にて震度5弱を観測する地震が発生しました。この地震により、多くの方々が不安な思いをされたことと思います。幸い、現時点では津波の心配はないとされており、大きな被害の報告も入っていません。しかし、日本における地震の脅威を改めて感じさせる出来事となりました。
この記事では、今回の地震の概要と、それを契機として考えるべき防災意識、さらに私たち一人ひとりができる備えについて詳しくご紹介していきます。
■ 地震の概要
2024年6月12日午後0時21分頃、鹿児島県の南部に位置する十島村で震度5弱の地震が観測されました。震源地はトカラ列島近海で、震源の深さはおよそ10km、地震の規模はマグニチュード4.9とされています。
日本列島の南西部に位置するトカラ列島は、地震が頻繁に発生する地域としても知られており、過去にも断続的に中規模の地震が発生しています。今回の地震においても、余震などの可能性があるため、今後しばらくのあいだは注意が必要です。
■ 津波の心配はなし
この地震によって気になるのは、津波の発生の有無です。気象庁は、今回の地震に伴う津波の心配はないと発表しました。沿岸部に住む住民や観光客の方々にとって、この情報は一つの安心材料となったことでしょう。
しかしながら、「津波が来なかったから安心」ではなく、地震発生直後の避難行動の重要性を改めて意識する機会とすべきです。津波は一瞬にして大きな被害をもたらす自然災害のひとつです。海に近い地域にいるときに大きな揺れを感じたら、津波警報の有無に限らず、まず高台に避難することが鉄則です。
■ 十島村とはどんな場所?
震源の近くで震度5弱を記録した十島村(としまむら)は、鹿児島県薩摩半島の南方、約100~200kmにわたって点在するトカラ列島の7つの有人島と6つの無人島からなる村です。海にかこまれた自然豊かな地域で、人口はおよそ700人弱。島々の多くは美しい自然に恵まれており、観光や漁業を中心とした生活が営まれています。
地理的に離島であるため、災害時における支援活動や避難行動には限界があるとされており、日ごろからの備えや、地域住民同士の結びつきが大きな役割を果たします。
■ 日常的に心がけたい「地震への備え」
日本は世界でも有数の地震大国です。日本列島は複数のプレートの境界に位置しており、年間を通して数多くの地震が発生しています。そのため、どの地域に住んでいても、日常生活の中で地震への備えをしておくことが重要です。
次のようなポイントを参考にしましょう。
1. 家具の固定
大きな地震が起きた際には、家具の転倒や落下物によってけがをする方が多くいます。家具は壁にしっかり固定しましょう。特に寝室など、夜間に長く滞在する場所では特に気をつけたいところです。
2. 防災グッズの準備
懐中電灯、飲料水、非常食、ラジオ、予備の電池、常備薬などを用意しておきましょう。また、携帯電話の充電器(モバイルバッテリー)も欠かせません。
3. 家族との避難経路の共有
家にいるとき、外出中、勤務中など、地震が起こるタイミングは人それぞれ。そのため、家族間で非常時の連絡手段や集合場所をあらかじめ確認しておくことが大切です。
4. 定期的な避難訓練
地域や職場、学校で実施される避難訓練には積極的に参加しましょう。とっさの判断が命を守ることにつながります。
■ テクノロジーを活用する
近年は、スマートフォンの気象アプリや緊急地震速報のシステムが非常に発達しています。アラートを素早く受け取ることで、数秒~数十秒の猶予を確保し、安全確保に移ることができます。
また、災害時に最も重要なのは、正確な情報を得ることです。テレビやラジオに加えて、気象庁の公式サイトや自治体の防災メール、SNSなど複数の手段から情報を確認し、落ち着いて行動することが求められます。
■ おわりに:日ごろの「もしも」を大切に
2024年6月12日に発生した十島村での地震は、幸いなことに大きな被害をもたらすものとはなりませんでした。しかし、それは偶然の積み重ねに過ぎません。自然災害はいつ、どこで、どのような形で発生するか分かりません。
だからこそ、私たちは日ごろから「もしも」に備えておくことが大切です。
大切な家族や友人、地域の仲間たちを守るための第一歩は、自分の意識を高めること。そして、災害時でもなるべくパニックにならず、冷静に行動できる土台を日ごろから作っておくことです。
今一度、ご自宅の防災対策を見直してみませんか? 今回の十島村での地震を「備えを考えるきっかけ」として、多くの方にとって有意義な機会となることを願ってやみません。