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阿部一二三が中学生の“純粋な質問”に思わず苦笑い――心がほぐれる金メダリストの素顔

柔道家・阿部一二三選手が中学生の素朴な質問に思わず苦笑い――その一コマが日本全国に温かい笑顔を届けています。2020年東京五輪柔道男子66キロ級の金メダリストで、国内外の大会で華々しい実績を誇る阿部選手が、神奈川県川崎市内の中学校を訪問し、生徒たちと交流するイベントが行われました。

この訪問は、「オリンピアンふれあい交流事業」の一環として開催されたもので、トップアスリートのリアルな経験談を通じて、未来を担う若者たちに夢や希望、努力の大切さを伝える貴重な機会となっています。今回のイベントでは、阿部選手が柔道の技を披露したり、質疑応答を行ったりと、生徒たちとの活発なコミュニケーションが繰り広げられました。その中で飛び出した中学生らしい“微笑ましい質問”が、話題を呼んでいます。

笑顔の絶えない交流会

阿部選手が中学校を訪れたのは6月上旬。200人以上の生徒が体育館に集まり、拍手と歓声で迎える中、阿部選手は白い柔道着姿で登場しました。会場には緊張と期待が入り混じる空気が漂っていましたが、阿部選手は優しい笑顔で「みんな、こんにちは!」と元気よく挨拶をし、すぐにその場の雰囲気を和らげました。

学生時代の話、厳しいトレーニング、勝敗に対する気持ちの切り替え方、そしてオリンピックでの経験など、質疑応答では様々な質問が飛び交いました。「勝つためにどんな努力をしていますか?」「金メダルを獲ったときの気持ちは?」といった真剣な質問には、丁寧かつ真摯に答えていた阿部選手。しかし、その中で思わず苦笑いを浮かべた質問が一つありました。

「お姉さんいますか?」中学生の“気になる質問”

ある男子生徒が手を挙げ、「阿部選手に質問です。お姉さんっていますか?」と少し緊張した様子で聞きました。会場からはクスクスと笑いが漏れ、阿部選手も思わず苦笑い。しかしすぐに「はい、姉はいます。柔道をやっていて、世界でも活躍しています」と答えました。

実は、阿部選手の姉は、同じく柔道家の阿部詩選手。東京五輪では兄妹そろって金メダルを獲得し、日本中を感動させました。2021年のあの眩しい兄妹同日金メダルは、今でも多くの人の記憶に残っていることでしょう。

質問をした生徒にとっては、何気ない疑問だったのかもしれませんが、阿部選手の「苦笑い」には、照れくささや、兄妹に対する尊敬と愛情、そしてそのエピソードを通して会場全体の心をぐっと引き寄せる優しさがにじんでいたように思います。

トップアスリートの“人間らしさ”に共感

このような交流の場が持たれたことで、阿部選手というトップアスリートの努力や実力だけでなく、“人間らしさ”や“親しみやすさ”が伝わったのではないでしょうか。日々メディアでは厳しいトレーニングや、新たな目標に向けた挑戦が報じられていますが、こうした直接対話の中から見える表情やリアルな言葉は、子どもたちにとって強く心に残る励ましになるはずです。

また、質疑応答の中では「試合に負けたときにどう気持ちを切り替えていますか?」という質問もありました。阿部選手は「負けた時こそ、一番成長できるチャンス。なぜ負けたのかを考えることで、次の勝利につなげています」と力強く語りました。この言葉に、生徒たちは真剣な眼差しで大きくうなずいていました。

これからの時代を創っていく次世代に対し、「努力は必ず報われる」「失敗があってもそこから学ぶことが大切」といった普遍的な価値観を、実績と説得力を持って伝えることができるのがトップアスリートの存在です。

“あこがれ”から“目標へ”――阿部選手と中学生たちの距離

イベント終了後、生徒たちの多くが「もっと柔道をやってみたくなった」「阿部選手のように努力して何かを極めたい」と感想を述べていました。阿部選手の話や存在そのものが、“あこがれ”の対象としてだけでなく、実際に“自分も頑張ってみよう”と思わせてくれる“目標”としての力を持っていることが感じられます。

厳しい世界で戦うアスリートたちにも、自分たちと同じように悩み、努力し、たまには素朴な質問に笑顔で応える人間味がある。それを実際に感じることができた中学生にとって、今回の交流会はこれからの人生において、かけがえのないメモリーとなることでしょう。

最後に

阿部一二三選手のように、多くの困難やプレッシャーを乗り越え、目標に向かって努力を惜しまない姿は、年代を問わず多くの人の心を動かします。そして、その過程で見せる温かさや親しみやすさこそが、真の意味で“人の心を動かす力”なのかもしれません。

中学生の何気ない質問から垣間見えた、阿部選手の飾らない人柄。それに優しく応えた一瞬の「苦笑い」が、今、大きな共感と感動を呼んでいます。私たちもまた、その笑顔に込められたメッセージを胸に、日々前向きに生きていきたいものですね。