1990年代後半に一世を風靡したお笑いコンビ「猿岩石」を覚えている方も多いのではないでしょうか。ユーラシア大陸横断ヒッチハイクの旅を追ったテレビ番組「進め！電波少年」での過酷なチャレンジが大ヒットし、一躍スターダムにのし上がったコンビ、猿岩石。そのメンバーの一人が現在、芸能界の第一線で活躍している有吉弘行さんであり、もう一人が芸能界から距離を置いている森脇和成さんです。
今回注目されたのは、その森脇さんがメディアに登場し、改めて有吉さんとの関係や現在の心境について語ったこと。その内容は、かつて一緒に夢を追った仲間との再会や、人生の選択について考えるきっかけを与えてくれるものでした。
この記事では、森脇和成さんの現在の思い、過去との向き合い方、そして有吉さんとの関係について掘り下げてご紹介します。
■猿岩石としての栄光とその後の道
1996年、テレビ番組「進め！電波少年」でのヒッチハイク企画で突然注目を浴びた猿岩石。旅の過酷さ、苦労、そして少しずつ目的地に近づく姿が視聴者の共感を生み、彼らはその年の流行語大賞にもノミネートされるほどのブームを巻き起こしました。CDデビューも果たし、「白い雲のように」はミリオンセラーを記録するなど、「芸人」という枠を超えた人気を誇っていました。
しかし、その盛り上がりは長くは続かず、コンビは2004年に解散します。解散後、有吉弘行さんは一時期どん底まで落ち込みながらも、毒舌キャラを確立して再ブレイク、今やテレビやラジオ、CMでの活躍にとどまらず、自らの冠番組を持つまでになりました。
一方の森脇和成さんは、芸能活動を離れて一般企業などに勤務しながら、さまざまな人生経験を重ねてきました。2021年にはYouTubeチャンネルを開設し、自身のこれまでの生き方や経験を語る場をもうけています。
■森脇さんが語る「有吉弘行」との関係
今回話題になったのは、森脇和成さんがテレビ番組の中で改めて猿岩石時代や有吉さんとの関係について語った内容です。
森脇さんいわく、有吉さんとはコンビを解散して以来、長らく連絡を取ることはなかったとのこと。しかし、数年前に偶然連絡を取り合うきっかけがあり、親交を再開したそうです。再開当初は、互いに気まずさや照れくささもあったと語っていますが、思い出話や現在の近況を語り合ううちに、その距離は次第に縮まっていったといいます。
現在の森脇さんにとって、有吉さんは「昔、夢を一緒に見た仲間であり、これからも応援していきたい存在」。一度それぞれの道を歩んだからこそ、互いの努力や苦労が理解できるのかもしれません。芸能界という厳しい世界で再ブレイクを果たした有吉さんを、誇りに思っているとも話していました。
■人生の選択と第二のステージ
森脇さんの言葉の中で印象的だったのは「人にはそれぞれのペースと選択がある」という発言。世間の注目を浴び、やがて静かに姿を消した彼は、その間も休まず働き、人生を歩み続けてきました。
芸能界から離れるという決断は、簡単なことではなかったはずです。しかし、営業職や飲食業などさまざまな職を経てきた森脇さんだからこそ、人とのつながりや経験の大切さを身にしみて感じているといいます。「華やかさだけが人生ではない」「表に出ることがすべてではない」——そんな思いが彼の言葉から伝わってきます。
現在の活動はあくまで「伝え手」。自身の経験をYouTubeを通じて発信し、同じように悩みや迷いを抱える人にとって道しるべになればという想いがあるのだとか。芸能界という舞台を離れても、彼は新たな形で人々に影響を与える存在になっているのです。
■再会がもたらす温もり
有吉弘行さんとの再会は、森脇さんにとって大きな意味を持っていたのは間違いありません。かつて同じ時間をともにし、同じ夢を追いかけ、そして別れた相方。ときに苦い記憶もあったかもしれませんが、それでもこうして再び語り合える関係に戻れたことは、人生においてとても価値のある経験ではないでしょうか。
有吉さんも、公の場で森脇さんに対する言及を避けることなく、照れ隠しのように語ることがあります。その言葉の端々には、かつての相方への敬意や、今なお変わらぬ仲間意識を感じさせます。
■おわりに
人生には多くの出会いと別れがあり、それぞれが選ぶ道には正解も不正解もありません。重要なのは、「どう生きるか」を自分自身で決め、歩み続けること。
森脇和成さんのこれまでの道のりは、まさにそれを体現するような人生です。一時的にスポットライトを浴び、その後静かに舞台を降りたものの、今は自分なりの形で再び人々に希望や励ましを届けています。
有吉さんとの再会、再びつながった縁は、過去をただ懐かしむものではなく、今をしっかりと生きる中で得られた「軌跡」のひとつ。私たちもまた、自らの人生においてさまざまな選択をしていく中で、ときにこうした再会や思い出に背中を押されるのかもしれません。
芸能界の表と裏を見つめ、そして今、自身の人生を明るく見つめる森脇和成さんの姿は、多くの人にとって共感と勇気を与えてくれる存在と言えるでしょう。
