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森保ジャパン、豪州撃破で示した進化の現在地──久保建英の一撃と連携の成熟度に見る未来

2024年6月13日、サッカー日本代表、いわゆる「森保ジャパン」がオーストラリア代表(サッカールーズ)との注目の一戦に臨み、その内容と結果は多くのファンやメディアの注目を集めています。この試合は、FIFAワールドカップ・アジア最終予選や大陸間のライバル対決といった文脈ではなく、それでも両国の代表が激突するというだけで非常に高い関心を持たれるものであり、森保一監督体制下で今後の方向性を占う一戦として、大きな意味を持つものでした。

この記事では、日本代表とオーストラリア代表の試合内容、選手たちのパフォーマンス、そして森保監督の采配について、詳細に振り返りながら、今後の展望についても考えていきたいと思います。

■ 注目のカード、日本 vs オーストラリア

日本代表とオーストラリア代表の対戦カードは、アジアにおける強豪同士の激突として長年注目されてきました。過去の激闘を振り返ると、例えば2006年のドイツW杯での激戦や、2011年のアジアカップ決勝での延長戦など、名勝負の数々が記憶に残っています。

今回の対戦も例外ではなく、両チームとも国際大会に向けた準備段階で戦術を熟成させ、多くの主力選手がスターティングイレブンに名を連ねました。森保監督率いる日本代表は、若手とベテランのバランスが絶妙な構成になっており、先日の北朝鮮戦を含む一連の試合で見せた高い攻撃力に期待が寄せられていました。

一方でオーストラリアも、フィジカルを活かしたアグレッシブなプレースタイルが特徴であり、UEFAやA-Leagueで経験を積んだ選手たちを擁するチーム。日本が試される要素がいくつも詰まった好カードでした。

■ 試合序盤:主導権を握った日本

前半開始から、日本代表は積極的にボールを保持し、相手陣内へ圧力をかけていきます。中盤では遠藤航や守田英正の存在が際立ち、攻守の切り替えで質の高いプレーを見せました。特に10番を背負う久保建英の動きには多くのサポーターが注目し、巧みなドリブルとパスワークで何度もチャンスを演出しました。

また、両サイドを起点とした攻撃のバリエーションも豊富で、堂安律や伊東純也といったスピードのある選手がオーストラリアのディフェンスラインを翻弄。これまでのトレーニングで培われた連携の成果を感じさせるプレーが続きました。

特筆すべきは、ビルドアップ時の落ち着いたボール回しと的確なサイドチェンジ。これは、森保監督の下で長期にわたり取り組んできたポゼッションスタイルの成果とも言えるものであり、相手のプレッシャーに動じることなく、自分たちのリズムで試合を進めることができていたのが印象的でした。

■ オーストラリアの抵抗と日本の守備

もちろん、オーストラリアもやすやすと主導権を渡すようなチームではありません。フィジカルを活かした空中戦やセットプレーからのチャンス作りは見事で、何度かゴール前での混戦も演出しました。しかし、日本の守備陣が集中力を切らさず、冷静に対応。冨安健洋や板倉滉といったセンターバック陣の落ち着いた対応が光り、GKの前で大崩れすることはありませんでした。

また、試合を通じての守備の組織力には、かつてから定評のある「日本の守備力の高さ」を改めて実感させられました。ハイプレスを効果的に使いながらも、一瞬の突破にはすぐにブロックを敷き直し、セカンドボールも中盤で確保できていた点は、チームとしての成熟度の高さを如実に表しています。

■ 後半からの展開と交代策

後半に入っても、日本のリズムは大きく変わらず、むしろ時間の経過と共に中盤と前線の動きにさらにスムーズさが加わっていきました。後半15分過ぎには、最初の交代カードが切られ、浅野拓磨らスピードある選手が投入されると、前線の流動性がさらに高まります。

交代によって攻撃のテンポが上がり、オーストラリアの守備陣が揺さぶられたタイミングで、ついに最初の得点が生まれました。中央でのパス交換からサイドに展開し、折り返しに反応した久保が左足でネットを揺らしたそのシーンは、まさに“森保ジャパンのスタイル”そのものでした。

得点後も守備に偏ることなく、追加点を狙う姿勢を貫いたところに、日本代表の成長がうかがえます。状況に応じて守り切る選択肢もある中、あくまでも自分たちのスタイルを追求しようとする姿勢は、選手たちの自信の表れとも言えるでしょう。

■ 試合の総括と次へ向けた課題

最終的には日本が1-0で勝利を収めたこの試合、スコア以上に内容の濃いゲームだったと言えるでしょう。選手個々の技術や視野の広さ、そしてチーム全体の連携が随所に見られたことで、今後の代表活動における大きな収穫となった一戦でした。

ただし、課題がなかったわけではありません。クロスの精度や、ゴール前での決定力向上といった点にはまだ改善の余地がありそうです。実際、チャンスそのものは多く作れていただけに、1点に終わったことは悔やまれる部分もあります。

また、フィジカルで勝る相手に対して体力的にきつくなる終盤にどうコントロールしていくかなど、引き続き課題と向き合う必要があります。特にワールドカップ本番では、こうした時間帯の駆け引きが勝敗を左右するだけに、選手層の厚さやメンタル面の維持という観点も忘れてはならないでしょう。

■ 森保ジャパンの今後に期待

「一戦必勝」を胸に掲げ続ける森保ジャパン。この試合でもその精神は随所に表れていたと言えます。選手たちは好調のクラブシーズンを経て、戦術の融合度も着実に上がっていることが見て取れました。

ワールドカップ予選、本戦、あるいはAFCアジアカップと、今後も待ち受ける大舞台に向けて、このオーストラリア戦は単なる親善試合以上の価値があったはずです。

これからも日本サッカーが世界の舞台でさらなる躍進を遂げるために、一人ひとりの選手の努力はもちろん、ファンやサポーターの応援も欠かせません。熱い戦いを見せてくれた森保ジャパンに感謝しつつ、これからの戦いにも大いに期待しましょう。

次なる大一番では、さらに進化した「森保ジャパン」の姿を目にすることができるはずです。