女優・池田エライザさんといえば、モデル、シンガー、映画監督としても活躍するマルチな才能の持ち主。そんな彼女が主演を務めた最新映画『九十歳。何がめでたい』の公開舞台あいさつで、観客からの温かい声援に「泣きそう」と感極まる場面がありました。今回は、その舞台あいさつの様子や池田さんの心情、そして映画が持つメッセージについて詳しくご紹介します。
池田エライザさん、初主演作で感動の涙
6月21日に東京・TOHOシネマズ日比谷で行われた映画『九十歳。何がめでたい』の公開初日舞台あいさつ。この日は主役を務めた池田エライザさんをはじめ、草笛光子さん、宮野真守さん、LiLiCoさん、前田哲監督らが出席し、大勢のファンと報道陣が詰めかけました。
映画の上映後に行われた舞台あいさつで、客席から「エライザちゃん、最高だったよ!」「感動しました!」といった温かい言葉が投げかけられると、池田さんは少し驚いたような表情を浮かべながらも、やがて感極まり、「泣きそうになってしまいました……」と目を潤ませて語りました。
「すごく心がじんわりしています。こんなに皆さんが受け止めてくれて、言葉をかけてくださって、本当にありがたいです」
彼女の控えめながらも真摯な姿勢と、作品にかけた思いの強さがひしひしと伝わる場面となりました。
映画『九十歳。何がめでたい』とは
本作は、ベストセラーエッセイスト・佐藤愛子さんのエッセイ『九十歳。何がめでたい』を原作にしています。原作は、90歳を過ぎてもなお、ユーモアと毒舌を忘れず、世の中に物申す佐藤さんの鋭い筆致が話題となった一冊。その世界観を、現代を舞台に据えて再構築したのが、前田哲監督による今回の映画作品です。
池田エライザさんが演じるのは、編集者・近藤役。草笛光子さん演じる佐藤愛子に出会い、時に怒られ、振り回されながらも、人生に大切なことを少しずつ学んでいくという現代女性の成長物語となっています。
世代を超えて共鳴する人生のメッセージ
この映画の大きな魅力の一つは、90歳を超えてもなお自分らしく生きる佐藤愛子さんの姿勢と、それに刺激を受けながらもがく若者の姿とが描かれている点です。
池田エライザさんは、インタビューや舞台あいさつの中でたびたび「この作品を通して、自分自身も多くのことを考えるきっかけになった」と語っており、現代を生きる人々—特に若い世代に向けて、「自分の価値観を信じていい」という大切なメッセージを届けてくれています。
また、草笛光子さんの持ち前の品格と自由な表現力が、佐藤愛子という人物に見事なリアリティを与えており、多くの観客が「こんな風に年齢を重ねたい」と感じるほど。その一方で、若者から見た“年配世代”への理解や、世代間の関係性にも新鮮な光を当てています。
池田エライザさんの新たな挑戦
これまでにも数々の映像作品に出演してきた池田エライザさんですが、今回のような実在の人物に向き合いながら、感情の微妙な揺れや変化を演じる役柄は新しい挑戦だったと言えるでしょう。
実際に舞台あいさつでも、
「すごく楽しみでワクワクしていた気持ちもありましたけど、ちゃんと届けられるかどうかという不安もありました」
と語っており、演技に対する真摯な気持ちや葛藤がにじみ出ていました。それだけに、観客から直接「素晴らしかった」「ぐっときた」といったフィードバックをもらったことで、感無量の思いだったのだと思います。
今後の池田エライザさんに期待
映画『九十歳。何がめでたい』は、笑いあり涙ありの心温まる作品でありながら、私たちに「生き方」や「他人との関わり方」について考えさせてくれる作品でもあります。そしてそれは、池田エライザさんという女優の、ひたむきな姿勢と豊かな感受性があってこそのもの。
今回の舞台あいさつで涙を浮かべた池田さんの姿は、決して“弱さ”を見せたのではなく、多くの人の思いを真っすぐに受け止められる“強さ”の現れだと感じました。そんな彼女の今後の活躍がますます楽しみになりますね。
まとめ:誠実な心が響いた舞台あいさつ
映画という作品を通して、多くの人の感情に触れ、共感を呼び起こすのは簡単なことではありません。しかし、池田エライザさんは今回、役柄やストーリーをしっかりと自分の中に落とし込み、多くの観客の心に届く演技を見せてくれました。
「泣きそう」と語った彼女の言葉には、俳優としての喜びや不安、そして何よりも観客や関係者への感謝の気持ちが込められていたことでしょう。
映画『九十歳。何がめでたい』は現在全国で公開中です。日々の忙しさでつい忘れがちな「自分の声を聞くこと」「人生を豊かに味わうこと」をそっと気づかせてくれる、温かく力強い作品です。まだ観ていない方は、ぜひ劇場でその感動を体感してみてください。
そして池田エライザさんが流した“嬉し涙”にも思いをはせながら、映画の世界に浸っていただければと思います。