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日常が備えに変わる瞬間 ― ファミリーマート、全国で「備蓄米」販売スタート

全国のファミリーマートが展開する“備える”新商品 ― 備蓄米の販売がスタート

日常生活に「もしもの備え」を取り入れる人が増えている中、全国のファミリーマートが一歩先を行く取り組みを始めます。ファミマが2024年6月から新たに全国のおよそ16,300店舗で「備蓄米」の販売を開始することが発表されました。

備蓄米とは、長期保存が可能で、災害時などの非常時に手軽に食べられるよう開発されたお米の商品。これまでネット通販や一部の店舗、自治体配布などで手に入れることはできましたが、今回のファミリーマートによる展開は、全国規模のコンビニチェーンとしては画期的な取り組みと言えます。

非常食の新しい選択肢

販売される備蓄米は、ファミリーマートとサタケ(SGジャパン)が共同開発したもので、温めたり、水やお湯を加えるだけで手軽に食べることができるのが特長です。保存期間は最大5年。炊き込みご飯や白米など複数の種類が用意されており、1食ずつパッケージされたものを必要な分だけ購入することができます。

例えば「牛ごぼうごはん」や「わかめごはん」などのラインナップは、非常時だけでなくアウトドアや日常食としても魅力十分。いざというときの非常食が、「普段もおいしく食べられるご飯」として提供されることは、多くの人にとって備蓄食のハードルを下げることにつながりそうです。

「日常に溶け込む備え」をファミリーマートが提唱

こうした商品展開の背景には、ファミリーマートが取り組む「もしもの時に役立つ日常の備え」のコンセプトがあります。同社は2021年から「防災月間」に合わせて、各種の非常食や防災グッズの販売を強化しており、今回の備蓄米もその一環として登場しました。

特に、防災意識の高まりが続く中で、家庭ごとで備蓄を進める動きが全国で顕著になっています。ですが、「備えることに慣れていない」「何を準備してよいかわからない」と感じている人も少なくありません。そんなビギナーにとって、コンビニで気軽に手に入る非常食という存在は、心強いサポートとなるでしょう。

おにぎりや冷凍食品に次ぐ“食のシームレス化”

ファミリーマートは近年、「日常」と「非常時」がシームレスにつながる食のスタイルを模索しています。例えば冷凍食品コーナーでは、簡単調理・長期保存が可能なご飯や総菜が充実しており、一人暮らしの方や高齢者、共働き家庭の方々に好評です。

今回の備蓄米もその流れの中に位置づけられており、“普段、コンビニでお昼ごはんを買う感覚で、いつのまにか備えができている”という、新しいライフスタイルをファミマは提案しているといえます。

地域防災力の向上にも寄与

さらに、全国各地に網の目のように展開するファミリーマートの店舗網は、地域に根ざした防災拠点としての役割も期待されています。災害時には電源を供給する設備を備えた店舗も少なくなく、非常用トイレやアイスクリームなどの保存用製品、不自由な状況下でも生活を維持できる商品が取り扱われています。

今回の備蓄米も、単なる「商品」としてではなく、地域の防災力を高める「一助」として店舗に並ぶことに大きな意義があります。ファミマに立ち寄ったときに、「非常食が売っている」ことの安心感は、地域の方々にとってひとつの支えとなるでしょう。

SDGsへの対応も視野に入れる取り組み

ファミリーマートのこのような防災商品展開は、SDGs(持続可能な開発目標)の観点からも注目されています。「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」「住み続けられるまちづくりを」といった目標に対し、日常の中で無理なくアプローチできる商品ラインナップを提供する姿勢は評価されるべきポイントです。

特に、備蓄食の多くが「賞味期限が来て備蓄から除いても、ちゃんと食べられておいしい」ものであることは、食品ロスの削減にもつながります。「食べられる備蓄食」は、持続可能な防災の一歩として今後ますます注目されそうです。

より身近に、よりリアルな「準備」を

私たちが日々の暮らしを送る中で、災害への備えというとどこか遠い話に感じられがちです。しかし災害はいつ、どこで起きるか分からず、備えているかどうかで状況対応の大きな差が生まれます。とはいえ、いざ準備をしようと思っても、特別な道具や知識が必要だと感じてしまい、なかなか行動に移せないこともあるでしょう。

そんな中で、コンビニで気軽に手に取れる「備蓄米」のような商品が登場することは、多忙な日々を送る現代人にとって非常にありがたい提案です。今後のファミリーマートの防災商品ラインナップにも期待が高まりますし、私たち一人ひとりの防災意識も高められるでしょう。

まとめ:日常に取り入れる「備え」の新しいかたち

「防災」は特別なことではなく、日常生活と地続きで考えることが求められる時代です。そしてその「備え」が、いつでもどこでも身近なコンビニで購入できるということは、非常に頼もしく、安心感に繋がります。

ファミリーマートがスタートさせる備蓄米の販売は、災害に備える「きっかけ」を多くの人に提供すると同時に、安心して生活できる社会づくりの一助となるはずです。ぜひこの機会に、身近な「コンビニでの備え」のあり方を見直してみてはいかがでしょうか。