サウナでのメガネは危険?プロが警鐘を鳴らす“知られざるリスク”とは
近年、老若男女問わず「ととのう」体験を求めてサウナの人気が高まっています。リラクゼーション効果や健康効果が注目され、日常生活の中で気軽にリフレッシュできる手段として、多くの人がサウナに足を運ぶようになりました。しかし、そのサウナで一見何気ないように思える“メガネの使用”が、実は重大なトラブルにつながる可能性があるという指摘があります。
今回は、実際にサウナ施設の現場で働くプロが発信した「サウナでメガネを着用することの危険性」について詳しく解説していきます。メガネ使用者でサウナを利用する方は、ぜひ一読して安全なサウナライフに役立ててください。
■ サウナ室の高温環境がメガネに与える影響
サウナ室内の温度は、一般的におおよそ80~100度にも達します。このような高温環境は、身体にとっては血液循環や代謝の促進など良い作用をもたらしますが、プラスチックや金属などの加工製品には過酷な状況であることも事実です。
サウナ利用者の中には、視力に自信がないため着用したメガネをかけたままサウナ室に入る方もいますが、メガネはこうした極端な高温に耐えるよう設計されてはいません。メガネの素材により差はありますが、特に次のような危険性があります。
・フレームやレンズの変形
・レンズの曇りやひび割れ
・金属部分の発熱による皮膚へのやけど
特に金属フレームのメガネは、熱伝導率が高いため、短時間で熱を帯びて高温になり、耳や鼻に接触している部分がやけどするおそれがあります。このようなけがは、防ごうと思えば防げるだけに、注意が必要です。
■ メガネ専門家・サウナ専門家がまとめて注意喚起
報道によると、今回この問題に対して警鐘を鳴らしたのは、メガネ販売やフィッティングを専門とするメガネ業界のプロフェッショナルです。彼らは、実際にサウナ利用後にメガネの破損や変形を訴える来店者が増えている現状に危機感を覚え、情報発信を始めました。
また、サウナ施設においても、長年利用者を観察してきたサウナのスタッフたちから、「熱でメガネを壊してしまった」「やけどを負ってしまった」といった事例を数多く聞くことがあります。こうした現場からの声が重なることで、より多くの利用者にこのリスクを知ってもらいたいという思いから、注意喚起が広がっています。
■ メガネ使用者の選択肢と工夫
視力が悪い人にとって、「メガネなしでサウナに入る」というのは不安かもしれません。しかし、見えにくさと引き換えに事故やけがのリスクを背負うのは本末転倒です。では、メガネ使用者はどのような対応を取ればいいのでしょうか?以下にいくつかの対処法をご紹介します。
1. メガネを外して入る
一番安全なのは、やはりサウナ室に入る時にはメガネを外しておくことです。ロッカーや脱衣所にメガネケースを用意しておき、安全に保管できると安心です。
2. 耐熱仕様のサウナ用メガネを使う
最近では、一部のメーカーから「耐熱仕様のメガネ」や「サウナ専用メガネ」が販売されています。熱に強い素材を使用し、やけどや変形のリスクを最小限に抑える設計がなされています。ただし、すべてのサウナで問題なく使える保証はないので、取扱説明書をよく読み、使用方法を守る必要があります。
3. コンタクトレンズの使用を検討する
使い捨てのソフトコンタクトレンズの使用は、サウナでの視界確保に有効ですが、こちらも乾燥による目のトラブルが起こる可能性があるため、事前に眼科医と相談することをおすすめします。
4. 視力に自信があるなら裸眼で入る
視力が比較的よく、「なんとなくの輪郭がわかれば大丈夫」という方は、裸眼で入るというのも選択肢のひとつです。サウナはリラックスする場所でもあり、無理にすべてをクリアに見ようとしなくてもよいかもしれません。
■ サウナ施設自身の取り組みも重要に
利用者への注意喚起と合わせて、サウナ施設自身の取り組みも重要です。たとえば:
・「メガネ着用時の注意点」を更衣室などのわかりやすい場所に掲示する
・耐熱・サウナ用メガネの案内を行う
・貸し出し用のアイテム(度付きゴーグルなど)を用意する
こうした配慮が進めば、メガネ使用者もより安心してサウナを楽しむことができそうです。
■ 安全面を考えた「ととのい」のすすめ
サウナの魅力は、肉体的だけでなく、精神的にも深いリフレッシュ効果をもたらすことです。高温のサウナ室でじっくりと汗をかき、冷水浴で身体を引き締め、外気浴でゆったりと深い呼吸をする——この一連の流れが、俗に言う“ととのう”感覚を生み出します。
しかし、せっかくのサウナ体験も、メガネが破損したり、皮膚にやけどを負ってしまったりすれば、心身どころか経済的なダメージにもつながりかねません。安全に配慮した上での“ととのい”が、真に健康的なライフスタイルを導くものと言えるのではないでしょうか。
■ まとめ
サウナでのメガネ使用は、一見何気ない行為に見えて、実は高温による変形ややけどといった危険を孕んでいます。メガネ使用者にとっては少し不便に感じるかもしれませんが、安全を第一に考えた行動が、より良いサウナ体験につながります。
今後もサウナ人気が拡大する中、こうした安全情報は広く共有される必要があります。利用者一人ひとりがリスクを認識し、マナーと安全に配慮することで、サウナ文化がさらに心地よく、安心なものとして定着していくことを願います。
サウナをとことん楽しむためにも、「メガネを外す」という小さな一歩が、心と身体を守る大きなステップになるのです。