2024年6月3日午後10時過ぎ、岐阜県を中心とする地域で震度4の地震が観測されました。気象庁によると、この地震による津波の心配はなく、ただちに大きな被害の報告もありませんが、地域住民の皆さまの中には強い揺れを体感し、不安な時間を過ごされた方も多くいらっしゃることでしょう。
本記事では今回の岐阜県を震源とした地震の概要、安全を守るために今できること、そして災害への備えについて改めて考える機会として、幅広い視点からお届けします。
震度4の揺れ、岐阜県で発生
6月3日午後10時11分ごろ、岐阜県中北部を震源とする地震が発生しました。地震の規模はマグニチュード4.7と推定されており、現地では最大震度4が観測されました。岐阜市をはじめとする中部地方の広い範囲で揺れが感じられ、一部では棚の物が落ちるなどの影響も報告されています。
気象庁は、この地震による津波の発生はないと発表しました。このため、直後に避難を求められるような事態には至っていませんが、揺れを感じた方の中には大きな不安を抱えた方も見られました。
改めて知っておきたい「震度4」の意味
震度4というと、体感としては「明らかに揺れていると分かる」レベルの大きさです。多くの人が驚き、場合によっては恐怖心を抱くこともあります。照明器具が揺れたり、棚に載っていた物が落ちたりすることもありますが、耐震構造の建物においては通常、大きな被害につながることは少ないとされています。
とはいえ、今後の余震がある可能性も否定できませんし、地震の影響で地盤が緩んだり、水道・道路といったインフラの一部に支障が出ることも考えられます。被害がなかったことに安堵しつつも、引き続き注意を怠らないことが重要です。
過去の防災が生きた地域の連携
今回の地震に際して、多くの地域では防災無線やスマートフォンの緊急地震速報が作動し、住民が迅速に揺れに備える動きが見られました。こうした素早い対応を可能にした背景には、日頃からの防災訓練や地域のつながり、そして防災意識の高さがあります。
特に岐阜県は、かつての濃尾地震(1891年)や美濃中西部の群発地震(1961年など)を経験してきた土地柄もあり、地震への意識が比較的高い地域といえるでしょう。今回のような突発的な自然の揺れにも冷静に対応できるのは、過去の経験が生きている証ともいえます。
地震とどう向き合うか:いざという時の備え
日本は地震大国とも呼ばれ、多くの地域で地震が起こる可能性があります。震度4以上の地震が発生するたびに、私たちの生活は一瞬で揺さぶられ、非日常に足を踏み入れることになります。
こうした災害に備えるために、以下のような取り組みが日常から求められています。
1. 家屋の耐震性確保
築年数の古い住宅にお住まいの方は、耐震補強がなされているかを改めて確認し、必要に応じて点検や補強を行うことが勧められます。
2. 家具の固定と落下物防止
震度4程度の地震でも、家具や食器棚の上段に置いたものが落ちてくることがあります。重い家具には転倒防止器具を取り付け、ガラス棚などには飛散防止フィルムを貼っておくことが重要です。
3. 避難経路と避難所の確認
自宅や職場、学校から一番近い避難場所がどこにあるか、家族で再確認しましょう。特に、小さなお子様や高齢者、ペットがいるご家庭では個別の対応も必要になってきます。
4. 緊急時の持ち出し袋の準備
懐中電灯、乾電池、水、非常食、常備薬、マスク、簡易トイレ、スマホの充電器など、万一の避難時に必要となるアイテムをまとめた持ち出し袋は、いざという時に命綱となります。
5. SNSやアプリを活用した情報収集
地震発生時には、テレビやラジオに加えて、スマートフォンの緊急地震速報アプリ、Twitterや自治体公式LINEなどのSNSなどを通じて、新たな情報を素早く得ることが大切です。
共に備える地域社会へ
地震をはじめとする自然災害は、私たちの心や生活に不安をもたらします。しかし、冷静に準備し、周囲と協力し合える体制が整っていれば、多くの困難を乗り切ることが可能です。
今回の地震でも、地域住民同士がお互いに声を掛け合い、安全を確認し合っている様子が映像やSNSでも確認されました。普段は挨拶だけのご近所さんとの距離が、こうした非常時を通じてぐっと縮まることもあるのです。
知らぬ間の「心の負担」も忘れずに
また、地震によって揺れを体感した後には、知らず知らずのうちに不安やストレスが蓄積されることがあります。特に、小さな子どもや高齢者は、地震の揺れを強く記憶に残しやすく、心身の体調に影響を及ぼすこともあるため、周囲の大人や家族が気を配ってあげることが大切です。
夜に起きた地震ということもあり、眠れなくなってしまった人もいらっしゃるかもしれません。こうした時は無理に眠ろうとせず、リラックスできる音楽や読書などで心を落ち着かせる工夫も有効です。
最後に
今回岐阜県で発生した震度4の地震は、津波の心配がなく、大きな被害も報告されていないことは何よりです。しかし、「備えあれば憂いなし」という言葉の通り、地震への備えは決して無駄になることはありません。
これを機に、ご自身の住環境や防災体制を見直し、いざという時の行動指針を家族内で共有しておくことをおすすめします。安心して暮らせる毎日を守るために、今日からできる一歩を踏み出しましょう。
自然災害は避けられないもの。しかし、私たちの備えと心構え次第で、その被害を最小限に抑えることができるということを、今回の地震が改めて教えてくれています。引き続き、安全第一の行動を心がけていきましょう。