お笑い芸人・チャンス大城さん、“年齢詐称”してNSC入学 芸人への夢を諦めなかった男の物語
お笑い芸人「チャンス大城」さんが、自身の過去を振り返る中で明かした“年齢詐称”のエピソードが話題を呼んでいます。バラエティ番組などで独特の存在感とシュールな笑いを届け、根強いファンを持つチャンス大城さん。彼が芸人になる夢へと一歩踏み出すために選んだ“少しズルい”しかし“真剣な”選択。そしてそれを乗り越えてたどり着いた現在までの軌跡には、多くの人が心を動かされるはずです。
笑いの世界に人生をかけたその思い、そして彼の苦労と努力の物語をひも解いてみましょう。
年齢詐称してでも飛び込みたかった、笑いの世界
お笑い芸人・チャンス大城こと大城正文さんは、1975年1月22日生まれの現在49歳(2024年5月時点)。インパクトのある芸名と、その風貌、さらには危ういまでにリアルな体験談を笑いに昇華する芸風で、近年テレビやラジオでの露出も増え、にわかに注目を集めています。
そんなチャンス大城さんが、吉本総合芸能学院(通称:NSC)に入学したのは1991年。当時彼は16歳。しかし、実はこの「16歳」という年齢は“詐称”だったことを、テレビ番組『あちこちオードリー』の放送で本人が自ら明かしました。
実際の年齢は15歳、中学3年生だったという大城さん。本来であればNSCに入学できる対象は高校卒業見込み程度の年齢が基準。しかし、芸人になるという強い情熱と、どうしても早くお笑いの世界に飛び込みたいという一心から、年齢を偽って入学したのです。
「面接では髭も剃らず、老け顔を活かして大人のふりをした」と語るチャンス大城さん。若干15歳の少年が、自分の夢のために必死に“演じた”その瞬間こそが、後の芸人人生の始まりでした。
決して順風満帆ではなかった芸人人生
NSC入学後も、チャンス大城さんがすぐにスポットライトを浴びたわけではありません。
独特な芸風と、人と少し違う視点を持ち味とする彼は、メディアや大舞台で成功するまでに実に長い時間を要しました。同期には後に全国的な人気を得る芸人も多く、そんな中で埋もれながら試行錯誤を繰り返す日々。
その後もアルバイトで生計を立てながら、舞台に立ち続け、何年も何年も強い思いを捨てることなく、笑いの世界にしがみついてきたのです。
「腐らずに続けていてよかった」と語る彼の姿からは、苦労を乗り越えた者しか語れない重みがあります。
唯一無二の芸風、「実話怪談」が開いた新たな道
近年、チャンス大城さんが注目されるようになった大きなきっかけが、その「実話怪談」にあります。彼が体験してきた数々の奇妙なエピソードは、「本当にあった話」として語られながらも、クスリと笑えるユーモアが共存。
一見信じがたい話を、独特の間と語り口で面白くまとめあげるその芸風は、「都市伝説」と「笑い」の境界線を揺らすような独創性を持っています。
例えば、「霊感の強い先輩と住んでいた頃、自宅で起こった超常現象」や、「深夜の公園で遭遇した謎の老人」など、不思議な話を交えつつ観客を惹きつけるライブはリピーターも多く、YouTubeなどのネット配信を通じて、若者から中高年まで幅広い層に支持されるようになりました。
まもなく50歳、それでも「今が一番楽しい」
長い下積みの末、ようやく陽の目を浴び始めたチャンス大城さんですが、その中で語る「芸人としての喜び」には年齢を超えた純粋さがあります。
「芸人という職業は、何歳でもスタートラインに立てるものだと思っています。今が一番、芸人をやっていて楽しいです」と語る彼の姿は、多くの人に勇気と希望を与えます。
初めから華々しく注目を浴びたわけではなく、むしろ、“詐称”という人目を避けるようなスタートだった大城さん。それでも情熱と努力、そして何より笑いへの愛を持ち続けることで、自身の居場所をしっかりと掴み取ったのです。
まとめ:夢に年齢は関係ない、チャンスは自分で作るもの
チャンス大城さんの“年齢詐称”エピソードは、一見すると驚きの話のように聞こえるかもしれません。しかし、そこにあるのは「どうしてもお笑い芸人になりたい」という真っ直ぐな思い。そしてその思いが、今日まで彼を突き動かしてきた原動力です。
私たちは時に「年齢」や「環境」という制限によって、自分の夢や挑戦を諦めてしまうことがあります。しかし、チャンス大城さんのように、強い意志と情熱を持ち続ければ、どこかで光が差し込む瞬間が訪れるのかもしれません。
「今からじゃ遅い」「自分なんかに無理だ」と感じたとき、ふと彼の人生を思い出してみてください。15歳で大人のフリをし、芸人としての道を選んだ少年が、49歳になった今もなお、「芸人になってよかった」と笑って語る姿こそが、何よりの励ましとなるはずです。
夢に年齢の制限はありません。そして「チャンス」は、待つものではなく、自分自身で作るものだということを、チャンス大城さんの生き方が教えてくれます。