米大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースのデーブ・ロバーツ監督といえば、采配に定評があり、チームを何度もポストシーズンへ導いてきた指揮官として知られています。そんな彼が、試合のスターティングメンバー（スタメン）をめぐって、思わぬ“家庭内問題”に見舞われたというエピソードが話題になっています。
今回は、そのほっこりとした、そしてどこか多くの人々の共感を呼ぶ一幕をご紹介します。
家庭と野球の狭間で：ロバーツ監督の微笑ましい一言
話題となったのは、2024年6月上旬に行われた一戦でのこと。ドジャースのスタメンが発表されると、ファンや報道陣からは「いつも通り堅実なラインナップ」という印象だった一方で、ロバーツ監督の家庭では少し違った反応が起きていました。
監督自身がメディアの取材で明かしたところによると、試合後に帰宅した監督は、奥様からお叱りを受けたとのこと。「なんで今日は“あの選手”を外したの？」「楽しみにしてたのに」と、普段はチームの采配に口を出さないはずの家庭内評論家からの“クレーム”が飛び出したそうです。
指揮官としての立場と、一人の夫としての立場。そのギャップに苦笑いしながらも、ロバーツ監督は「まさか自分のスタメンに家庭内監視が入るとは」と冗談混じりに語り、記者たちに笑いを提供してくれました。
ファンだけじゃない、家族もいちファン
このエピソードは、笑い話としてメディアでも多く取り上げられました。もちろん、ロバーツ監督の家族が本気で怒っていたわけではなく、それだけ普段からドジャースの試合を楽しみにし、愛していることの証とも言えるエピソードです。
特に注目されたのは、この話がもたらすファン心理への共感です。スポーツファンというのは時に感情を込めて選手たちの出場に一喜一憂し、スタメンに推しの名前がなければ残念に思うもの。これは選手自身や関係者でなくとも、野球を日常の一部にしている人々なら誰しもが経験したことのある感情でしょう。
身近すぎるエピソードだからこそ、ロバーツ監督の告白は多くのファンの間で話題となり、「うちの家族も同じ」「自分も推しが出ない日には文句言っちゃう」といった共感の声がSNSなどで見られました。
監督と家族、そしてファンをつなぐスタメンの重要性
MLBの監督にとってスタメンを決めることは、選手のコンディションや対戦相手の相性、さらには長期的なシーズンの展望など、様々な要素を総合的に判断したうえで下す重要な決断です。そのため、単純な人気や希望だけではそう簡単に左右することはできません。
しかし、今回のような家庭内での“求められた采配”に振り回される（？）姿からは、人間味あふれる一面が垣間見えます。勝負の世界で戦う監督にも、プライベートでは誰かの「お父さん」であり、「夫」である一面があるのだと実感させられる瞬間です。
また、こうした話がメディアに紹介されることで、選手たちや監督、コーチ陣が普段どれほどファンや家族の期待に応えようとしているか、その裏にある努力や気遣いにも、少し目が向けられるようになります。
スタメン発表がもたらす人間関係の温もり
スポーツは数字で語られることが多い世界ですが、裏側には無数の人間関係やつながりが隠れています。スタメン一つをとっても、それによって誰かの一日が楽しみになったり、がっかりしたり。全世界で試合を追うファンの感情を揺さぶる力があります。
その中で、ロバーツ監督のようなトップクラスに立つ人物でも、自宅では「今日はもっと違うメンバーが見たかった」と奥様に言われるというのは、なんともほっこりとするお話です。
それは、家庭と職場、その両方で全力で生きる人間だからこそ経験することのできる出来事であり、スポーツの世界がいかに我々の日常に密接に関わっているかを象徴する一例でもあると言えるでしょう。
一般の家庭でも「推し」への愛は深い
日本でもプロ野球やJリーグなどを熱心に応援する家庭は多く、毎日のように「今日のスタメンに○○がいない！」「あの選手の守備位置が変わったけど、なぜ？」という会話が交わされています。推しのプレーを見ることを楽しみにしているという点では、国やチームを問わず共通しているのです。
ロバーツ監督の家庭のように、家族全員が野球に情熱を注いでいる光景は非常に微笑ましく、またファンとしての気持ちを共に共有することは、家族間の絆を深める良い機会でもあります。
親子で、夫婦で、あるいは孫と祖父母で、同じスタジアムに足を運んだり、テレビの前で歓声をあげたりする。スポーツがもたらす繋がりは、こうした小さなエピソードの積み重ねなのです。
最後に：スポーツの裏側にある温かさを忘れずに
当然ながら、グラウンドの上では勝敗がすべて。厳しい世界に身を置く者として、ロバーツ監督には厳格な判断が求められる場面も多々あります。しかし同時に、彼のような人物が家庭内で笑い話になるような出来事を語ってくれることは、我々ファンにとっては非常に貴重なことです。
それは、スポーツの裏にあるもう一つの「物語」を教えてくれるからです。選手や監督らも多くの人に支えられながら、その日その日を全力で戦っているという事実。そして、ファンの応援がどれだけ彼らの力になっているか。
応援するという行為に込められた想いが、これからのスポーツの未来をより温かいものにしてくれることでしょう。
これからも選手たち、監督たちが笑顔で「うちの家族に怒られちゃってさ」と言えるような、そんなエネルギーと愛情に満ちた応援を、私たち一人ひとりが送り続けていけたら素敵ですね。
