ロサンゼルス・ドジャース所属の大谷翔平選手が、世界的な経済誌「フォーブス（Forbes）」によって発表された2024年版「世界アスリート長者番付（The World’s Highest-Paid Athletes）」で9位にランクインしたというニュースが注目を集めています。これは日本人選手として史上最高位でのランクインとなり、その偉業が国内外から高く評価されています。
このランキングは、1年間（対象期間：2023年5月1日〜2024年5月1日）におけるアスリートの総収入を「競技から得た収入」「スポンサー収入や広告など競技外の収入」に分けて算出したもの。これらを合算し、世界中のアスリートの中でどれだけ稼いだかをランキング化しています。
大谷選手はこの期間中、約8500万ドル（日本円で約132億円）を稼いだとされており、そのうちの5000万ドルがスポンサーなどによる競技外の収入で、残りの3500万ドルがドジャースからの年俸など競技による収入だと報じられています。これは、メジャーリーガーとしても過去最高レベルのスポンサー収入とされ、世界でも屈指のマーケティングパワーを持つアスリートとして認知されていることを意味しています。
驚くべきことに、大谷選手は2023年オフにロサンゼルス・ドジャースと10年総額7億ドル（約1050億円）というメジャーリーグ史上最高額の契約を結んでいますが、その大部分の支払いは将来に繰り延べられ、今期の年俸として実際に受け取っているのは200万ドル程度だと言われています。それでもなお、これだけの高額収入を記録しているのは、いかに彼のブランド価値と世界的な影響力が高まっているかを示しています。
ランキングに名を連ねている他のアスリートを見ると、1位はサッカーのスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウド選手（サウジアラビア・アル・ナスルに所属）で、総収入2億6000万ドル（約400億円）に及びます。そのほとんどがスポンサー契約やSNSによる収益など、競技外の収入によるものです。他にも、リオネル・メッシやレブロン・ジェームズ、ステフィン・カリーといった名だたるアスリートが上位に名を連ねています。そんな中で大谷選手が9位に入ったことは、野球という競技では主に北米を中心として展開されているにも関わらず、彼の影響力がグローバルなレベルに達していることを示す証明とも言えるでしょう。
大谷選手のスポンサー企業を見ても、彼がどれだけ幅広い業界から支持を集めているかが伺えます。ニューバランス、セイコー、オークリー、ボス（HUGO BOSS）、JAL、伊藤ハムなど、スポーツ用品から時計、アパレル、食品、航空業界まで多岐に渡っています。これらの企業は、大谷選手の誠実で努力家な姿勢や、ピッチャーとバッターを兼ね備える“二刀流”の信じられない才能に大きな価値を見出し、彼をブランドの象徴として起用しています。
また、MLB公式のグッズ売り上げランキングでも常に大谷選手関連のグッズが上位にランクインしており、2024年シーズンの開幕後もその人気はさらに勢いを増しています。ドジャース移籍後のユニフォームは即完売状態で、球場でも多くのファンが彼の背番号「17」をつけて応援に駆けつけているほどです。
このような圧倒的な人気と実力を兼ね備えた選手が日本人であるということに、多くの日本のファンは誇りを感じており、特に若い世代にとって大谷選手は夢や努力の象徴となっています。彼の成功は、単なるスポーツ選手としての活躍に留まらず、「努力は報われる」「誠実に、生真面目に生きることが世界に通用する」という普遍的な価値観を象徴しているとも言えるでしょう。
2024年現在、大谷選手は右肘の手術を経て打者として復帰し、開幕からホームラン数でも高い存在感を示しています。さらに、ピッチャーとしての復帰も見据えたトレーニングも順調に進んでおり、今後再び“二刀流”としての完全復活も期待されています。このような未来への可能性も、大谷選手の魅力の一つです。
今回のフォーブスの長者番付での9位ランクインは、単なる金額的な意味以上に、大谷翔平というアスリートがいかに魅力的であり、世界中の人々の心を惹きつけているのかを如実に物語っています。また、スポーツ界においても「東洋からやってきた一人の青年」が、世界の頂点に堂々と肩を並べているという事実は、多くのアスリートや若者に勇気と希望を与えるニュースとなりました。
これからも、大谷翔平選手の活躍から目が離せません。彼が新たにどんな記録を打ち立て、そして世界中の人々にどんなメッセージを伝えてくれるのか。未来に向けて、ファンとしてその歩みを応援し続けていきたいと思います。
