ディズニー、UAEに初のテーマパーク計画か — 中東エンタメ市場に新たな光
世界中の家族から愛されるエンターテインメントの象徴、ウォルト・ディズニー・カンパニーが新たな一歩を踏み出そうとしているかもしれません。日本時間2024年6月4日、報道によると、ディズニー社がアラブ首長国連邦(UAE)で初のテーマパーク設立の可能性を探っているとのことが明らかになりました。これが実現すれば、中東地域におけるディズニーブランドとしては初となる本格的なテーマパークの誕生となり、世界のエンターテインメント業界にとって大きな転機となるでしょう。
今回の報道は、UAEの経済相であるアブドゥラ・ビン・トゥーク・アル・マリ氏が米CNBCとのインタビューの中で明かした発言に基づいています。彼は「ディズニーとは長年にわたって協議を進めており、何か素晴らしいものが形になりそうだ」と語り、公式な発表ではないものの、具体的なプロジェクトが検討段階にあることを示唆しました。
ウォルト・ディズニー・カンパニーは現在、米国内のアナハイム(カリフォルニア)およびオーランド(フロリダ)をはじめ、フランス、香港、中国本土(上海)、そして日本(東京ディズニーリゾート)に大規模なテーマパークを展開しています。これらはいずれも各地域の観光・経済の中核を担う施設として、高い評価と人気を誇っています。UAEへの進出はディズニーにとって、グローバル展開の新たな章を開くものといえるでしょう。
今回焦点となっているUAEは、近年急速に観光インフラの整備を進めており、特にドバイやアブダビといった主要都市では世界的なエンターテインメント施設が続々と開業中です。例えば、ドバイにはモーションゲート・ドバイやIMGワールズ・オブ・アドベンチャーなどのテーマパークが既に存在しており、多様な国籍の観光客を惹きつけています。そのため、ディズニーランドの誘致はUAEにとって戦略的にも大きな意味を持つとみられています。
また、UAEは中東のハブ的な存在であり、近隣諸国からのアクセスも良好であることから、将来的に広範囲なマーケットにアプローチできる立地です。観光資源が豊富でありながらも、四季がほとんどなく日照時間の長い気候は、屋外型のエンターテインメント施設にとっても好条件となります。仮にUAEにディズニーのテーマパークが誕生すれば、中東・アフリカ地域の家族や旅行者にとって、これまでになかった夢と魔法の世界が身近になることでしょう。
ただし、現時点では公式発表は行われておらず、計画の具体化にはまだ一定の時間が必要とされるとみられます。ディズニー社広報からは今回の報道に対して正式なコメントは出されていません。しかし、UAE政府側の発言からも分かるように、交渉自体はすでに長期間にわたり進められていることが伺えます。これは、両者が互いに信頼関係を築きながら、慎重にビジョンと計画を磨き上げている証といえるでしょう。
また注目すべきは、ディズニーがここ数年にわたりグローバル展開とデジタルコンテンツに力を入れている点です。テーマパーク事業と動画配信サービス「ディズニープラス」などを通じて、ユーザー体験の多様化を進めてきました。UAE市場に進出した場合、リアルなテーマパーク体験と連動したデジタルサービスの提供など、新たな顧客価値の創出も大いに期待されます。
世界経済と観光業がパンデミックの影響から徐々に回復する中、旅行に対する人々の期待も新たな段階へと進みつつあります。「どこで、どんな体験をするか」がこれまで以上に重視される現在、ディズニーのUAE進出はそういった消費者ニーズにも応える格好となる可能性があります。もちろん、文化的な背景や宗教的な価値観への配慮も不可欠ですが、ディズニーはこれまで各地でその土地の文化を尊重しながら成功を収めてきた実績があります。
さらに、UAEでのディズニー進出は、現地の経済や雇用創出にも大きく貢献することが期待されます。テーマパークの建設・運営には、多数の技術者、エンジニア、建築家、接客従業員などが必要となります。また、パーク周辺地域でのホテル・レストラン・交通インフラの整備が促進され、観光業全体への波及効果も見込まれます。
総じて言えることは、今回の「ディズニーUAE進出構想」は、単なる新施設の建設という枠を超えて、エンターテインメント産業の新たな可能性を開くものであるということです。世界中のファンが夢を見て、ワクワクするような未来が、UAEという新しい舞台で現実のものになろうとしています。報道が事実であり、今後プランがさらに具体化されてゆくならば、世界の子どもたちだけでなく、大人たちにとっても、またひとつ楽しみが増えることでしょう。
続報を楽しみに待ちたいところです。ウォルト・ディズニー・カンパニーのこれからの動きに引き続き注目です。