2024年6月、注目のエンタメニュースとして、人気アイドルグループ「King & Prince」のメンバー・永瀬廉がNHK連続テレビ小説『おむすび』の主演に決定したことが報じられ、日本中のファンと業界関係者の間で大きな話題となっている。デビュー以来、その爽やかなルックスと確かな演技力で数多くのドラマや映画に出演してきた永瀬廉が、国民的番組である“朝ドラ”の主演に抜擢されたことは、彼の俳優人生においてひとつの大きなターニングポイントとなる。
『おむすび』は2024年秋からNHKで放送予定の連続テレビ小説で、脚本は連続ドラマ『コウノドリ』や映画『彼女がその名を知らない鳥たち』など話題作を手がけた脚本家・浅野妙子が担当する。タイトルが示すように、日本の“おむすび”をテーマに、家族の絆や人と人とのつながり、故郷への思いを丹念に描くハートフルなストーリーになるという。
永瀬廉演じる主人公は、東京での競争社会に疲れ果てたひとりの青年が、祖母が営んでいた小さな食堂を継ぎ、“おむすび”を通して人々の心を結んでいく姿を描く。都会育ちの彼が、故郷で再発見する心の豊かさと、人と関わることの難しさ、そして温かさを体感しながら成長していく過程が物語の中心だ。永瀬が演じることで、多くの若い世代にも作品の魅力が届くことが期待されている。
永瀬廉は1999年1月23日生まれ、大阪府出身。ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)に所属し、2018年にアイドルグループ「King & Prince」のメンバーとしてCDデビューを果たす。グループとしても絶大な人気を誇る中、早くから俳優としても注目を集めていた。
俳優としての彼の代表作に、2021年公開の映画『真夜中乙女戦争』がある。この作品では、大学生活に辛さを覚える“無気力な青年”を演じ、そのナイーブで繊細な演技で高い評価を受けた。また、2022年のNHKドラマ『わげもん~長崎通訳異聞~』では、幕末の長崎を舞台にした歴史ドラマにも挑戦し、時代劇にも対応できる演技の幅広さを見せつけた。
国民的アイドルグループの一員というだけでなく、役者としても着実にキャリアを積み上げてきた永瀬。今回の朝ドラ主演決定は、その努力が実を結んだ瞬間だと言えるだろう。
NHKの朝ドラといえば、近年では土屋太鳳の『まれ』、有村架純の『ひよっこ』、広瀬すずの『なつぞら』など、若手俳優のキャリアにおいて飛躍のきっかけとなってきた。朝ドラは、平日の毎朝15分間、半年間にわたって放送されるため、主演俳優には強い存在感と視聴者との持続的な信頼関係構築が求められる。その厳しい条件の中で、永瀬が主演に起用されたことは、演技力と人間性の双方を評価された結果だと言える。
加えて、これまでNHKドラマに出演してきた経験が、今回のキャスティングにもつながったのだろう。永瀬は2023年度後期のドラマ『生理のおじさんとその娘』(NHK)でも好演を見せ、繊細なテーマを丁寧に扱う姿勢が視聴者や制作陣に高く評価されていた。
さらに興味深いのは、永瀬自身が料理を趣味としており、“おにぎり”作りなどの家庭的な手料理に関心を持っているという点だ。過去には雑誌のインタビューで「料理ができる男性に憧れる」「将来は子どもと一緒にご飯を作りたい」と語っており、今回のおむすびをテーマにした作品には、まるで運命的なような親和性が感じられる。
ネット上では既に彼のファンを中心に、大きな期待が寄せられている。SNSでは「廉くんの朝ドラ楽しみすぎる!毎朝の癒し確定」「おむすび=人との縁、それを廉くんがどう演じるか見届けたい」といったポジティブな声があふれている。若い世代はもちろん、朝ドラファンの中高年層にも広く親しまれる可能性が高く、永瀬の新たなファン層の拡大も見込める。
また、同作には次世代を担う実力派若手俳優たちも共演予定とのことで、キャスティング発表が待たれる中、ドラマ関係者によると「作品を通して、日本の食文化や人の絆の大切さを再認識させたい」との意図もあるという。これからの時代、「何を食べるか」ではなく「誰と食べるか」や「どんな想いを込めて作るか」が、より大切にされつつある中、本作のテーマは多くの人の心に響くだろう。
『おむすび』は、ただの料理ドラマではない。人と人との関係が希薄になりがちな現代において、ひとつのおむすびに込められた“思い”や“温もり”が、人々の心を再び結び直していく——そんな希望に満ちた物語だ。そして、その物語を主演として支えるのが、今まさに俳優としての大きな飛躍を迎えようとしている永瀬廉である。
永瀬のこれまでの軌跡と、今回の挑戦が、これからの彼のキャリアにどのような彩りをもたらすのか。『おむすび』の幕開けが待ち遠しい今、ファンのみならず多くの視聴者が、彼の活躍に期待して胸を膨らませている。