総合格闘技イベント「RIZIN」に参戦していたフジテレビの現職社員が、社内ルールの違反により「戒告処分」を受けたというニュースが話題になっています。今回は、この話題の背景や関係する処分の内容、そして会社員としての行動のあり方について深堀りし、多くの方が抱くであろう疑問や興味に応える形でご紹介していきます。
■ RIZINとはどんなイベント？
RIZIN（ライジン）は、日本を拠点とする総合格闘技（MMA）のイベントで、PRIDEの流れをくむ国内最大級の格闘技団体です。年末には「格闘技の祭典」と題し、多くの格闘家が参戦するビッグイベントが開催され、アスリートのみならず格闘技ファンの熱狂を集めています。プロとしての高い技術とパフォーマンスが求められ、テレビ中継やインターネット配信でも広く放送されることが多いため、関わる人にとっては非常に注目される舞台のひとつといえるでしょう。
■ フジテレビ現職社員のRIZIN参戦
今回の話題の中心となったのは、テレビ局・フジテレビに勤める現職社員が、RIZINに選手として参戦していたという事実です。この社員は、本業である会社員という役割を持ちながらも、個人として格闘技を日々鍛錬し、大舞台のRIZINに出場。こうした二足の草鞋を履く行動に、多くの人が驚きと関心を寄せました。
それ自体は一見すると「夢を追いかける素敵な話」にも思えますが、問題となったのはその過程や手続きでした。
フジテレビによると、当該社員は社内で定められている「兼業の事前申請・許可」を怠っていたことが発覚し、社内規定に反した行動として「戒告処分（けいこくしょぶん）」を受けました。戒告とは、処分としては比較的軽度ですが、公式に注意喚起を行う意味合いがあり、同じような行動を再び取れば、より重い処分につながる可能性もある、重要なステップになります。
■ 社員の活動が処分対象となった理由
今回のフジテレビの処分には、「RIZINに出場したこと」そのものではなく、「ルールに従わなかったこと」が大きな要因としてあると言えるでしょう。
多くの企業には、副業や兼業に関する規定が設けられており、特に大手企業やメディア関連の企業においては厳格なルールが存在します。理由としては、会社のイメージへの影響や、業務に支障が出る可能性、あるいは情報漏洩のリスクなどが挙げられます。
つまり、当該社員が格闘技に真剣に取り組み、結果としてRIZINという華やかな舞台に立ったこと自体が問題なのではなく、会社との事前の協議や説明、必要な手続きを経ずに行動した点が処分の対象になったのです。
これはどの企業においても共通する「組織のルールを尊重する姿勢」が問われる問題でもあります。
■ 夢を追いかける姿勢と組織の一員としての自覚
今回の話題を通して、多くの読者が感じるのは「社会人としての責任と、個人の夢の両立はどうあるべきか」という問いです。
格闘技にかぎらず、音楽・芸術・起業・資格取得など、社会に出て仕事を続けながらも、自分の夢に向かって努力する人は少なくありません。場合によっては、副業や二つのキャリアを持つ「パラレルキャリア」の在り方が注目される時代でもあります。
しかし、そうした活動には「所属する団体との信頼関係」や「業務への影響を考慮したマネジメント」が必要です。正当なルールと手続きを踏んで問題がないと判断されれば、企業も柔軟に対応するケースが増えています。だからこそ、まずは堂々と申請し、協議する姿勢が求められるのです。
■ 世間の反応と論点
このニュースに対して、SNSやネット掲示板などでは賛否両論の声が上がっています。
肯定的な声としては、
「プロとして通用するような強さならすごい」
「会社員がRIZINに出るなんて夢がある」
「今の時代、副業や多様な生き方は認められるべきでは？」
といった応援のコメントが多数ありました。
一方で、
「ルールは守るべき」
「会社に黙ってプロ格闘技の大会に出るのはやりすぎ」
「万が一ケガして業務に影響出たらどうするのか？」
といった慎重な意見も見られました。
いずれも重要な観点であり、今回の件を通じて考えるべきは「個人の自由」と「組織の規律」のバランスであることは間違いありません。
■ 今後の在り方と社会的影響
RIZINは今後も多くの才能ある選手が登場する場として、また夢をつかみたい人の登竜門として存在し続けるでしょう。そのなかで、「会社員だからといって夢を諦めない」「それでもルールを守って挑戦する」というスタンスが、社会の中でさらに評価されるようになることが望まれます。
今回のケースでも、フジテレビ側は世間への説明責任を果たしつつ、当該社員に対し大きな懲戒処分ではなく「戒告」にとどめ、冷静な対応を取ったように映ります。これは企業としても「社員の挑戦」そのものを否定はしておらず、組織としてのけじめを大切にしているというメッセージとも取れます。
■ まとめ
会社員という肩書きを持ちながら、大舞台・RIZINに挑戦する姿勢は、ある意味で多くの人に刺激と希望を与えるものでした。しかし、組織の一員として所属する以上、「ルールを無視して動く」ことは評価されにくいという現実も浮き彫りになりました。
これからの社会では、個人が持つ「夢への挑戦心」と、職場での「責任ある立場」がどう両立していくのか。その問いに対して、自分自身ならどう向き合うかを今一度考える良い機会かもしれません。夢を追うことをあきらめずに、しかし社会人としての誠実な姿勢も大切にする。それが、これからの働き方・生き方の重要なヒントになるのではないでしょうか。
