2024年春、少女漫画ファンにとって待望のビッグニュースが届けられました。2003年から2008年にかけて『Ciao』(ちゃお・小学館)で連載されていた人気漫画『ビューティーポップ』が、なんと17年の時を経て再び連載を開始することが発表されました。このニュースは多くの読者に驚きと喜びをもたらし、SNSでも感動の声が相次いでいます。この記事では、『ビューティーポップ』という作品がどのような魅力を持ち、今回の復活がどれほどの意味を持っているのかを深掘りしていきます。
『ビューティーポップ』とは?
『ビューティーポップ』は、漫画家・表(あらわし)ゆきこ先生によって描かれた少女漫画で、2003年から2008年まで『Ciao』本誌と増刊で連載され、単行本は計10巻が刊行されています。物語は、天才的なヘアメイクの才能を持つ女子高生・倉下スナが、不思議なチーム「シザーズ」に巻き込まれつつ、悩みを持つ女子たちを“美”の力で変身させていくという、ビューティー×青春の物語です。
この作品は、単なるビジュアルの変化だけではなく、自信のなかった少女がメイクやヘアスタイルを通して自己肯定感を高めていく姿が描かれており、当時の読者にとって「変身によって変わるのは外見だけではない」というメッセージが強く響きました。ファッションや美容に関心を持ち始める年頃の少女たちにとって、共感できるテーマを持った作品として、今でも“心に残る作品”として挙げられることが多い一作です。
17年ぶりの新連載がスタート
そんな『ビューティーポップ』が、2024年4月発売の『Ciao』5月号から、新シリーズ『ビューティーポップ♥リリース』として再始動することが明らかになりました。連載誌も当時と同じ『Ciao』での復活となり、「まさかあの『ビューティーポップ』が帰ってくるとは!」と幼少期に本作を読んでいた今の20代、30代女性を中心に歓喜の声が上がっています。
物語の詳細な展開については今後のお楽しみとして伏せられていますが、リニューアルタイトルにつくられた「リリース(Release)」という言葉には、解き放つ、新たに始める、という意味が込められており、過去の物語とのつながりや、新章としての展開に期待が高まります。また、登場キャラクターたちが現在どのような人生を歩んでいるのか、あるいは新たな主人公が登場するのか、その内容にも多くの関心が寄せられています。
作者・表ゆきこ先生のコメントも
作者の表ゆきこ先生は、今回の復活に際してのコメントで、「17年ぶりにスナたちを再び描けることが嬉しい」とし、当時の読者への感謝の気持ちと、初めて『ビューティーポップ』を読む新しい読者への期待を語っていました。当時、連載を追っていた読者にとっては懐かしい気持ちを呼び起こしつつも、新たな物語として現代的なテーマや価値観を反映した作品になることが予想されます。
世代を超えた“美”と“自信”の物語
『ビューティーポップ』が根強い人気を持つ理由の一つは、「美とは何か」という普遍的なテーマと、「変わりたい」と思う気持ちをそっと後押ししてくれる前向きなストーリーにあります。外見を磨くことは、自分に自信をもつきっかけにもなりますが、本当に大切なのは「自分を大切に思う心」。スナたちの行動やセリフは、そんなメッセージをさり気なく読者に届けてきました。
また、本作は単に「可愛くなってモテる」だけのストーリーではなく、自己表現としての“美”をテーマに掲げています。自分と他者の違いを受け入れ、認め合うことの大切さ。誰かの背中をそっと押す力が、メイクやヘアスタイルなどの“変身”にはある。そんな想いが作品全体に貫かれており、新連載でもその本質的な部分がどのように描かれるのかが注目されます。
令和の時代に“変身”はどう描かれるのか?
令和の時代を迎えた今、美容やファッションの在り方も多様化し、自己表現の手段としての“メイク”には新しい価値観が生まれています。ジェンダーにとらわれないメイクの楽しみ方や、SNSを通じた自己表現の広がりなど、当時とは異なる背景があります。そんな中で描かれる『ビューティーポップ♥リリース』は、当時の空気感を大切にしながらも、新しい時代の“美”のカタチをどう表現していくのかに注目が集まります。
また、かつて『ビューティーポップ』に勇気をもらっていた読み手たちが、今は母親となり、自分の子どもと一緒に新シリーズを読むという未来も想像できます。そのような“親子二世代で楽しめる作品”として、これからも多くの読者に愛され続けていくことでしょう。
まとめ
17年という長い年月を経ても、ファンの心に強く残っていた『ビューティーポップ』。その復活は、単なる懐かしさを超えて、多くの人にとって「自分をもう一度見つめ直す」きっかけになるかもしれません。再び動き始めたスナたちの物語が、どんな新しい風を私たちに届けてくれるのか。これからの展開にぜひ注目してみてください。
そしてまだ『ビューティーポップ』を読んだことがない方も、この機会にぜひ一度触れてみてはいかがでしょうか。きっと、自分自身をちょっとだけ好きになれる、そんなきっかけが見つかるはずです。