2024年6月、元「乃木坂46」メンバーで現在は女優やタレントとして活躍する白石麻衣が、ついにフジテレビ系の月9ドラマ主演に抜擢されたというニュースが話題を集めています。アイドル時代から高い知名度と支持率を誇ってきた白石にとって、月9主演というキャリアの節目はファンにとっても非常に感慨深いものです。
白石麻衣といえば、1992年8月20日生まれ、群馬県出身。2011年に乃木坂46の1期生としてデビューして以来、グループの中心的存在として数々の楽曲でフロントを務め、またその整った容姿と高いファッションセンスからモデル業でも成功を収めました。特に、女性ファッション誌「Ray」の専属モデルを務めたことにより、「女性が憧れる女性」としての地位を確立。そして2020年に乃木坂46を卒業して以降は、女優やモデル、MCなど、幅広いジャンルでマルチに活躍しています。
そんな白石が主演を務める今回の月9ドラマのタイトルは『マウンテンドクター』。物語は、山岳医療という特殊で過酷な世界を舞台に、人間の命と真摯に向き合う医師たちの姿を描いた感動のヒューマンドラマです。彼女が演じるのは、かつて山岳事故で大切な人を失った過去を持ちながら、運命に導かれるように山岳医療に身を投じる女性医師。白石は、これまでの清純派やクールビューティーといったイメージを打ち破るような強さと繊細さをあわせ持つ役どころに挑戦しています。
山岳医療というテーマは、これまでの月9ドラマにはあまり見られなかった新境地と言えます。その特色は、通常の都市部での医療現場とはまったく異なる環境。限られた器材、過酷な自然条件、ヘリでの搬送、不安定な通信状況など、困難を極める中で生と死の境界にある患者たちを救うために奔走する医師たちのリアルがあります。まさに極限状態における選択と葛藤がドラマの中心に据えられ、観る者の心を強く揺さぶる展開となっています。
白石麻衣にとって、連続ドラマの主演、特に月9枠での起用はそのキャリアにおける大きな転換点です。アイドルとして華やかなステージに立っていた時期から、彼女は「自分の表現の幅をもっと広げたい」と語っており、女優業に専念するきっかけとなった2020年の卒業後も地道に役者としての経験を積んできました。これまでに映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』やドラマ『漂着者』など、異なるジャンルの作品に挑み、その都度新たな一面を見せてきました。
『マウンテンドクター』の制作を手掛けるのは、数々の名作月9をヒットさせてきたフジテレビのヒットメーカーたち。脚本は『救命病棟24時』や『コード・ブルー』など、リアルな医療描写と人間ドラマを織り交ぜた脚本で定評のある演出陣と共同で手がけられています。そのため、単なるフィクションにとどまらず、徹底したリアリズムとキャラクターの心理描写が重視されているのが特徴です。白石が演じる主人公も、単に「かっこいい女性医師」ではなく、過去のトラウマや葛藤を抱えながらも、患者と向き合う中で成長していく“人間としての姿”に重点が置かれています。
番組スタッフによれば、クランクイン前から白石は山岳医療に関する資料を読み込み、救急救命の基礎を学ぶトレーニングにも自主的に参加。所作や言動、さらには酸素の少ない高所での動きを再現するための演技トレーニングまで徹底して行っているといい、「ただ美しいだけの女優ではない」という彼女の真摯な姿勢がスタッフたちの信頼にもつながっているとのことです。
あくまで“実力派女優”として新たなステージを目指す白石にとって、このドラマが成功すれば、女優業としての地位は確固たるものになるでしょう。月9という日本のテレビドラマにおける永遠のブランド枠で、しかも医療というテーマに挑む挑戦は、かつての視聴者層だけでなく、新しい世代にも彼女の魅力を伝えるきっかけになるはずです。
また、このドラマはリアルな山岳ロケも行われており、視覚的な迫力も注目ポイントです。過酷な登山道や雪山での撮影には、安全面に最大限の配慮がなされながらも、白石自身がスタントなしで挑戦する場面も多くあるとされ、女優としての“本気度”も改めて感じさせる内容となっています。
アイドルから女優へ。その道のりは決して簡単なものではありませんでしたが、一歩ずつ地盤を固めながら成長を続けてきた白石麻衣。今回の『マウンテンドクター』主演によって、彼女はついに「本物の女優」としての扉を開いたのです。
人生の困難に立ち向かう姿勢、他者を思いやる力、過去と向き合う勇気。そんな人間として一番大切なことを教えてくれるこのドラマを通じて、白石麻衣はこれまで以上に多くの人々の心をつかむことでしょう。新たな代表作となる『マウンテンドクター』。その魅力は、これからの月曜の夜に輝きを放つことになります。
